クリームソーダも見た目が9割?…注文数5倍に!あるカフェの盛り付けビフォーアフターが衝撃的
「クリームソーダの盛り付けを変えただけで前年比500%って話。」
Twitterに投稿されたあるカフェのつぶやきが話題だ。「500%」というよくわからないが何やらすごそうな数字もさることながら、盛り付けの変更前後で見た目が劇的に違うクリームソーダの画像のインパクトが絶大で、なるほどこれは500%むべなるかな、と思わされる見事な説得力。投稿主の「オダツトム うのまち珈琲店」さん(@odatsutomu)に、この投稿に込めた思いを聞いた。
うのまち珈琲店は、岡山と奈良に店舗がある。元々はオダツトムさんが地元岡山で同級生3人とカフェを始めたのがきっかけだそうだ。解散後もオダツトムさんは1人で新たにカフェを開き、地域活動に積極的に参加するようになった。その縁で声が掛かり、2017年、「メルカ」という地元のショッピングモールで、現在の「うのまち珈琲店」が誕生したという。18年12月には2号店となる奈良店もオープンした。
-盛り付けの変更時期を教えてください。
「以前の盛り付けは17年の頭から18年末頃までです。奈良店は18年12月、岡山店は19年1月から今の形になっています」
-変更の理由、きっかけは?
「元々、ロゴ入りグラスはパフェ用に製作したものであり、量が限られていたので、クリームソーダは市販のグラスで提供していました。奈良店をオープンする際にロゴ入りグラスを多く発注したことと、奈良という初めての土地で名前を覚えてもらうために、このグラスを使用することにして、盛り付けを再考するに至りました」
-投稿の「前年比500%」とは。
「具体的な売上金額の開示は難しいですが、旧グラスから新グラスへ移行したことで、クリームソーダの注文数が前年より約5倍伸びたということです」
-飲食店関係者に「僕で良ければ相談にも乗りますよ!」と呼び掛けていらっしゃいます。実際に依頼や相談は来ていますか?
「現在、飲食のみならず美容業やイラストレーター、デザイナーも含めて多数のご連絡をいただいているところです」
-例えば現時点で経営に苦労していても、「盛り付け」次第で売り上げなどが劇的に変わり得るケースはあるのでしょうか。
「『盛り付け』によって売り上げが変わる可能性はありますが、例えば盛り付けではなく切り取るビジュアル、ネーミング、ストーリーなどの改善によってもSNSでユーザーに刺さる可能性はあります。その辺りも含めてアドバイスさせていただいております」
-Twitterで大きな反響があったことについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
「多少ハネるとは思いましたが、正直驚くほどの反響をいただきました。お店の宣伝というわけではなく、マーケティングの話として発信したつもりなのですが、商品紹介だと捉えられた方には『前の方が美味しそう、食べやすそう』といったご意見もいただきました。そう感じる方がおられるのは事実なのですが、だからこそカフェ経営やビジネスの難しさが表れていますし、主観で進めるのではなく、顧客視点をいかに持ち続けられるかが大事だと感じています」
「『盛り付けが変わりました』という投稿だとここまで伸びなかったでしょうが、『500%』というマーケティング要素が入ったことにより、飲食のみならず、他業種でもシェアしてくださる方が増えたのだと思います。引き続き、カフェ視点から見える経営について発信していきたいと思っています」
(まいどなニュース・黒川 裕生)