「塩の国」赤穂に新たなB級グルメ爆誕!津山ホルモンうどんと隣県夢対決プランも
播州赤穂(兵庫県)と言えば、まずは赤穂浪士が浮かぶ。その次は天塩か。江戸時代から塩の国として知られ「塩味まんじゅう」が名物。最近では塩ラーメンが脚光を浴びていた。そんな中、今年5月に文化庁から「日本第一の塩を産したまち」として日本遺産の認定を受けることに。それにあやかって“新登場”したのが「塩ホルモン焼きうどん」。商品開発した「ホルモン秀吉」(同市黒崎町)を訪ねてみた。
もともと播州では、つけダレで食べるホルモンうどんが地域のソウルフードとして親しまれてきた。ここ赤穂市内にも数店舗あり、ほぼ専門店のような店もある。「ホルモン秀吉」もその中のひとつ。スタミナ鍋なども人気があるが、メーンメニューは特製ダレにつけて食べる「ホルモン焼きうどん」(880円)だ。皿にはこれでもかというほどマルチョウやシマチョウなどがたっぷりと乗せられていた。
「このプルプル部分がこちらでは当たり前。みんな、これを食べて育って来たようなもん」
兵庫、岡山、広島の3県下で焼肉店を中心に8店舗の飲食店と精肉業などを営むオーナーの東野さんが言う。
今回、塩ホルモン焼きうどんを手掛けるようになったのは、今年5月に赤穂市が「日本第一の塩を産したまち」として日本遺産に認定されたことがきっかけ。赤穂市にとっても悲願成就となったが、ホルモン秀吉もこの追い風にあやかった格好だ。
赤穂の塩は瀬戸内の自然が育んだものだ。雨が少なく、温暖な気候。さらに千種川が運んだ良質な砂からできた遠浅な干潟は入浜塩田の開発に適し、江戸時代から塩の産地として全国に名をはせた。現在でも国内シェアの2割を占めるそうで、特徴はマグネシウムを主成分とするにがり。それを塩ホルモン焼きうどんとして“塩梅”よく仕上げるために相当苦労したと東野さんは言う。
「以前から地元赤穂の塩を使って料理を作りたいという思いがありました。難しかったのは塩の味付けは微妙な加減でおいしく感じたり、まずくなるもの。何度も試作して、スタッフ一同で食べ比べし、意見を出し合って。赤穂の塩の特長を生かすために、いろいろと試行錯誤しました」
その甲斐あって、9月10日から新メニューとして追加された。値段はタレ味と同じで、塩ホルモン焼きが780円、塩ホルモン焼きうどん(そば)が880円となっている。
塩の国に誕生した新たな名産として、早くも大好評。バイヤーの耳にも入り、まだ企画段階ながらJR名古屋駅の高島屋催事コーナーで岡山の津山ホルモンうどんとの“対決”プランも浮上してるという。果たして、隣県対決は実現するか!?
(まいどなニュース特約・山本 智行)