寛 一 郎、時代劇&アクション初挑戦!急遽の殺陣長回しは「足がガタガタ」
未経験の項目を一つずつ塗りつぶしていく感覚が楽しくて仕方がない。主演映画『下忍 赤い影』(10月4日公開)で時代劇&アクションに初挑戦した、俳優の寛 一 郎(23)。幕末の鳥羽・伏見の戦いを舞台に、忍者組織の最下層・下忍の末裔である竜を演じている。
祖父は三國連太郎、父は佐藤浩市というサラブレッド。代々引き継がれる勘の良さと高い身体能力で、初挑戦とは思えぬアクロバティックなアクションを華麗に決める。
映画好きになるきっかけとなった『スターウォーズ』に『七人の侍』。幼少期に貪り読んだ漫画「NARUTO -ナルト-」。時代劇とアクションには幼少時代から憧れがあった。役者として早くも一つの夢が叶った形。しかもアクション監修を、映画『キングダム』で一躍注目を集めた坂口拓が務めた。
殺陣トレーニングも初体験なわけだが「自分で言うのもおこがましいけれど、覚えは早かったです。好きだからこそ、好奇心が芽生えて覚えの早さに繋がったのかもしれません」と好きこそものの上手なれを実践。しかし練習と本番の違いを痛感することもあった。
学生時代に遊びの延長で習得したというバク転を劇中で披露するが「俺できますよ!と見栄を切ったものの、いざ撮影本番になると失敗の連続でした。自分では緊張していないつもりでも体が硬くなっているのを感じた」と遊びと仕事の違いを実感した。
アクション表現の奥深さを知ることができたのも、何よりの収穫。「アクションとは、スポーツのように訓練すればできると思っていたけれど、実は似て非なるもの。運動神経の良さも重要だけれど、リアクションによって見え方も変わる。アクション部の方々のキレや動き、スピード感はすさまじい」と挑戦したからこその発見があった。
見どころに挙げるのは、迫りくる敵たちを次々となぎ倒す約4分間のワンカットアクション。「撮影の2日前にワンカットで撮影することが決まり、その殺陣も当日につけることに。『それは無理!』とは言えず『わかりました!』と答えざるを得なかった」と冗談めかすも「練習して体に染みついたアクションをなぞるだけでは退屈に感じていたので、ワンカット撮影に変更されたときは『やるしかねえ!』と久々に燃えました」と望むところだった。
琉球武術の使い手・尚役の結木滉星と協力してのワンカット撮影は「失敗は許されない本番1発の勝負。撮影現場は緊張感に包まれていて、僕自身も足がガタガタ震えていました」と武者震いも「いざ走り出したら緊張を超えたその先に、遠足前夜のワクワク感と似たものを感じました。OKになった瞬間、滉星とガッチリ抱擁。それだけ嬉しかったし、本当にいい経験をさせてもらえました」。
筋の良さを褒めると、劇中の凛々しい姿とは一転「だってアクションができる男って…カッコよくないですか!?」と相好を崩す。無邪気な素顔もまた魅力的だ。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)