学校の前で加害教師に“生電話”?Youtubeで投稿…「単なる悪ノリにしか思えない」
神戸市立小学校で起きた教員間暴力をめぐる報道は、次々に痛ましい加害行為が明らかになり、過熱化の一途をたどっています。こうした中、ネット上では加害者とされる教員の氏名や写真を「特定した」として一方的に拡散させる「ネット私刑」ともいえる行為が拡大。また、学校の校門を背に「加害教員に電話してみた」などという動画まで投稿されており、ネットでの取り上げられ方は異常にエスカレートしています。
「もしもし、先生、お久ぶりです。若い教師をいじめてたとかいってニュースになってますけど、大丈夫ですか」で始まる1分27秒の動画。「教師をいじめた教師に電話をしてみた!」とのタイトルで、Youtubeに動画が配信されています。内容を見る限り、動画を撮影したのがどこの学校なのか、そして電話の相手が本当に加害教員かどうかは定かではありませんが、10月8日に公開されてから16日夕刻までに55万回以上再生されています。
そのほか、ツイッター上では加害教員の名前や顔写真を一方的に「特定した」として誇らしげに書き込む投稿が多くのリツイートや「いいね」を集め、掲示板などには誹謗中傷の書き込みが相次いでいます。市教委には加害側とされる教員になりすました偽のSNSアカウントが作られているとの情報も寄せられています。
子どもを同校に通わせるある保護者は「やってる人は正義感のつもりだろうけど、匿名だし、単なる悪ノリにしか思えない。実際に怖い思いや迷惑をしているのは子どもたち。加害者の先生は許せないけれど、便乗してあおっている人も、やっていることは(加害者と)同じでは」と不安と憤りを隠しません。各メディアによる取材も過熱し、市教委には「子どもが公園で遊んでいるときに声をかけられた」という例や、記者とも野次馬とも分からない人が出没しているため「子どもが外に出ることを怖がり、塾などに付き添うことになった」という例も報告されています。
市教委は11日から民間警備会社に委託し、警備員2人を配置。警察にもパトロールを強化するよう要請しています。市教委は「お叱りや苦情は謹んでお受けすることしかできませんが、できれば学校の安定的な運営を後押しして頂けたら」とし、「子どもたちや保護者の不安を払しょくするため、ガードマンの配置も当面の間、続ける」としています。
(まいどなニュース・広畑 千春)