新開発したプロテインバーの誕生秘話 人気拡大の理由とは 流通アナリスト・渡辺広明氏が解説

 流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」。今回のテーマは「商品開発」。自身が開発した商品の誕生秘話をつづった。

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 メディアの仕事以外では商品開発が僕の生業の一つです。

 「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)の楽屋で、バズーカ岡田こと日本体育大学・岡田隆准教授との雑談から生まれた「UHA味覚糖SIXPACKプロテインバー」の誕生秘話を。

 そもそもプロテインって筋肉業界を中心にスポーツをやる人の栄養補助食品だと思っていて、「プロテイン=タンパク質」って事を恥ずかしながら知ったのが2年前のその時。

 成人は、体重1キロあたり1グラムのタンパク質摂取が理想。糖質・脂質を抑えて気軽にタンパク質を摂れるプロテインバーがないとの事で、“筋肉ブーム”もあり、当時ビジネスを一緒に手掛けていたUHA味覚糖の山田泰正社長に岡田准教授と直談判プレゼンし、商品化が決定。ただし、タンパク質20グラム配合の高スペック商品が市場にないのは理由があり、開発面やコスト面など問題が山積していました。

 最初の試作品は、タンパク質を必要とする岡田准教授でも全部食べられなかったほどで、試作を10度以上繰り返し、発売までに1年の月日が。発売後も、筋肉業界や岡田准教授がコーチを務める柔道ナショナルチームでも井上康生監督をはじめ、選手たちにも話題になりましたが、高スペックがゆえに、大量生産できず、ネット販売と一部小売店のみの販売で欠品続き。

 図らずもマーケティング的には、ゲームメーカーなどの品薄商法のような商品が手に入らない状況が1年続き人気拡大。生産体制も整い10月にようやく近畿を中心にコンビニの店頭にも並ぶようになりました。

 高スペックが話題となり、タンパク質の必要性が女性の美容にも浸透し、スポーツアスリートのみならず購買の半分が女性になっています。

 プロテインは注目市場で、ローソン×キリン限定「サプリ プロテインドリンク」を発売をしているほど。プロテイン商品の今後は女性のみならず、子供の成長・高齢者の健康 と幅広いターゲットに行き渡る商品になりそうです。

 いろんな業界の人に会い、商品を発売して、お客さまに喜んで頂く。商品開発はやりがいのある仕事なんです。

◆渡辺広明 マーケティングアナリスト。1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニエンスストアの店長、スーパーバイザー、バイヤーとして22年間、メーカーのマーケッターとして7年間従事。現(株)やらまいかマーケティング代表。商品開発700品の経験を活かし、顧問、講演、バラエティから報道までのメディア出演と幅広く活動。フジテレビ「Live News a」のレギュラーコメンテーター

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