飼育員が「思わず検温したくなる」と太鼓判 リアルすぎるアザラシのクッションが話題
大阪市の水族館「海遊館」と神戸市の通販「フェリシモ」がコラボしたアザラシのクッションが話題だ。まるまるとしたフォルムに、思わず和んでしまう表情。もふもふとした抱き心地の良さはもちろんのこと、人気の秘訣は何といっても、とことん追求した「リアルさ」にある。ディテールへのこだわりも相当で、SNS上では「どっちが本物なのか、分からない」という声があふれている。
その人気は国内のみならず海外にまで及んでいる。話題の「もっちりビッグクッション」は海遊館とフェリシモのユーモア雑貨ブランド「YOU+MORE!」によるコラボ企画第3弾。これまで商品化した「カワウソポーチ」やペンギンが卵→ヒナ→成鳥へと変わる「三変化オウサマペンギン」ぬいぐるみも話題になったが、フェリシモの広報によると、それ以上の反響を呼んでいるという。
「これまでで一番売れています。一時は発注に追いつかないほど。どうしたら手に入れられますか、という問い合わせも多くいただいてます」
販売を開始したのが8月23日。人気はSNSなどで広まり、海遊館の公式Twitterで細部にもこだわって再現したアザラシのクッションの写真を投稿したところ「かわいい」「まんまるやん」「ムギュってしたい」など約19万件の「いいね!」が付き、約7万件のリツイートがあったという。
モデルになったのは実際に海遊館で飼育されている4頭のワモンアザラシのうちの2頭。ユキちゃんとアラレちゃんだ。海遊館のスタッフによると「もともと、お饅頭みたいとか、まるで漬けもの石とか、丸すぎるなどと、ぬいぐるみになる前から人気者でした」と言う。
話題になっていることには「リアルさをとことん追求しているからでしょう。一般的にぬいぐるみとなるとデフォルメされるものですが、表情や目つき、フォルム、模様、果ては眉毛や足の爪など細部にもこだわってます」と話した。
それが可能となったのはフェリシモ側の女性企画担当者が大のアザラシマニアだったことも大きかった。何しろ、アザラシに触れ合える全国の水族館巡りをしているほど。今年1月から構想を練り、製作までに半年をかけた結晶だ。
その間に海遊館の飼育員の元へ足繁く通い、情報を交換。ふだんは見づらいお腹や大事な下半身の細部にこだわったかいあって飼育員から「思わず検温したくなる」と最大級の賛辞も得たという。
「苦労した点は2頭の違いを出すところと、特徴のまるみをどうやって出すか。クッションなので柔らかくするとペシャッとなってしまいがち。あまり硬い肌触りの良さをなくすので、もちっと感を出す素材(ポリウレタン)にもこだわりました」とフェリシモの担当者は話す。
おまんじゅうアザラシのクッションはユキちゃん、アラレちゃんバージョンがあり、価格はビックサイズが6820円、ミニサイズが2750円(いずれも税込)。フェリシモのサイトではビッグサイズのみ販売。海遊館のオフィシャルショップでも10月8日から販売開始。購入すると”引き継いだ”という設定で飼育の心構えが書かれた二つ折りのミニカード「飼育引き継ぎノート」がおまけでもらえる。とことんリアル。思わず、クスッと笑ってしまった。
(まいどなニュース特約・山本 智行)