来年から花見の風景が変わるかも? ブルーシートに代わる「畳シート」誕生

美しい桜の花を愛でるお花見で、嫌でも目に飛び込んでくるのがブルーシートの人工的で鮮やかな青。景観を台なしにするあの情緒もへったくれもないブルーシート文化をどうにかしたい。通販大手フェリシモ(神戸市中央区)が、若手社員のそんな熱い思いを形にした畳柄の紙製レジャーシートを開発。10月24日から予約販売を始めたところ、SNSなどでは「素敵」「こういうのを待っていた」「欲しい!」という声が殺到するなど、大きな反響を巻き起こしている。

フェリシモが展開するユーモア雑貨ブランド「YOU+MORE!」の新商品。入社5年目の川井由花さんが学生時代から温めていたアイデアで、構想から商品化まで実に足掛け6年を費やした渾身の企画だという。商品名はずばり「日本の風景を変える 畳シート」である。

6年前に畳シートを思いついた川井さんは、フェリシモ入社後、展示会や市販のレジャーシートの素材で畳シートに合いそうなものをずっと探し続けてきた。「表面がマットで、畳っぽい適度な凹凸があり、畳むとかさばらず、プリントが綺麗に出る」夢のような素材を追い求めて5年、ついに理想の素材に巡り合い、商品化にこぎ着けた。

使っているのは、薄くて丈夫で軽い高機能再生紙。シワが特徴で、裏面は樹脂加工済みのため、濡れた地面でも気兼ねなく使えるという。畳のリアルな質感を追求し、畳表や縁のプリントにも細かいこだわりを貫いた。縁は上品な菊菱模様。大きさは京間1畳分で、重さは約260gと軽いため、折り畳めば簡単に持ち運べる。

「まさに畳!」「まるで和室!」のレベルを目指し、細かい修正を繰り返してきたフェリシモ自信の“逸品”。デザインは、いぐさの印影や色の濃淡を何度も調整して決めた。生産を担当するのは山陽製紙(大阪府泉南市)。16分(!)かけて印刷し、両端のヘリの幅を合わせて職人技で正確にカット。手作業で畳めば完成となる。

フェリシモは「一歩ずつ、一畳ずつ、日本の風景を一緒に変えていきませんか」と呼び掛ける。花見だけでなく、SNSでは「野点やコスプレの小道具としても使えそう」「外国人に日本の畳文化に触れてもらう機会になりそう」などの声も寄せられているという。屋外に限らず、和室がない家では書き初めやかるた遊びなどでも活躍してくれそうだ。

1枚2200円(税抜き)。届くのはお花見シーズン前の2020年2月下旬~3月下旬を予定している。

商品の詳細と申し込みはこちら。 https://feli.jp/s/pr191024ym/2/

(まいどなニュース・黒川 裕生)

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