“攻めの企画”で話題の「桂浜水族館」 仕掛け人の美人館長に“実際のところ”を聞いてみた

 「モヤモヤさまぁ~ず」や「月曜から夜ふかし」など人気テレビ番組でも紹介されたユニークな水族館が高知にある。この「桂浜水族館」は月の名所「桂浜」にある私設の小さな水族館。一時は閑散とし、閉館の危機もあったというが、あの手この手のPR作戦で”V字”とはいかないまでも…回復基調にあるとかないとか。”仕掛け人”の美人館長に実際のところを聞いてみた。

 「桂浜水族館」がここのところ何かと話題になっている。記者自身もかつて何度か訪れたことがあり、にわかには信じ難かったが、テレビの人気番組でも紹介され、客足も伸びているという。ピーク時の年間21万人には及ばないものの、一時7万人にまで落ちた来場者は現在10万人に回復した。

 ターニングポイントは2016年、設立85周年を記念し、新潟の水族館から送られてきたトドをモチーフに生まれた公式マスコットキャラクター「おとどちゃん」の存在だ。これは高知市出身で、桂浜水族館のファンでもあったフィギュアイラストレーターのデハラユキノリさんが考案した濃いめのキャラ。胸に「アイ・ラブ・えさ」と書かれているように食欲旺盛な天然Fカップの女の子という設定だ。

 一見グロテスクだが、よくみると愛嬌があり、18年には着ぐるみもできた。それと合わせ、彼女がSNSで発信する自由奔放なネタも評判になった。仕掛け人の一人、秋澤志名館長が言う。

 「ここハマスイは小さくて、施設も古いので大きな水族館とは勝負できない。なのでツイッターなどでイケメンスタッフに注目していただくことから始めました」

 秋澤さんは5年前に、ハマスイに復帰。様々な試みが認められ、昨年にJAZA(日本動物園水族館協会)では国内に3人しかいない女性館長に就任している。

 「ありあがたいのは、この桂浜の程よい大きさの砂が自然に濾過してくれ、地下浸透水として利用できる点。きれいすぎて海草が育たないほどですが、水代が掛からないのは助かります」

 もちろん、2522平方メートルと小さいながらも水族館としての本分も忘れず、踏ん張っている。イルカはいなくなったが、トドやアシカがショーを演じ、ペンギン団地には49匹が生息。ウミガメは勢いよくエサを食べ、その横の水槽では幻の魚として釣り人垂涎の「アカメ」が悠々と泳いでいる。その隣には食卓にでてきそうな魚たち。調理方法も書かれているのが何ともユニークだが、食育の場ともなっているようだ。

 また2階には数体のクジラの骨格標本があり、屋外の一角にはお笑いコンビ南海キャンディーズの山ちゃんがお気に入りというカピバラまで飼育され、生まれたばかりの2匹の赤ちゃんもいた。

 「バックヤードがないので、すぐ近くに動物がいて息づかいやにおいまで感じられるのも特徴。”おらんく”の水族館ですね。ゆくゆくはアシカセラピーをするのが夢なんです」

 グッズショップではカワウソのぬいぐるみがもらえるくじが大人気。容器の中を回る紙くじを引き、1等は何と90センチのものが当たる。あと、“ほんまもん”かと間違えそうなリアルすぎるタコのぬいぐるみも評判だ。

 11月17日には第46回龍馬まつりin桂浜が開催。それとセットでハマスイを訪れるのがいいかもしれない。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

◇桂浜水族館 高知龍馬空港から車で30分。年中無休(9時~17時)入場料 大人1200円、小中学生600円、3歳から400円。

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