田んぼに捨てられていた子猫、里親さんのもとで幸せになったが、突然の病で倒れる
大阪府内の田んぼに捨てられていた子猫の兄弟。片岡さんは、4匹のうちの1匹、白黒の猫を譲渡してもらった。しばらくは幸せな日が続いた。しかし、グリちゃんと名付けた猫は、1歳10カ月の時、猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症した。
■田んぼに捨てられていた子猫の兄弟
2017年6月、グリちゃんは、3匹の兄弟と一緒に段ボール箱に入れられ、大阪府内の田んぼに捨てられていた。生後1カ月半くらい。どの子もひどい猫風邪をひいて目をショボショボさせていた。
保護主さんは、天美動物診療所に子猫たちを連れてきた。診療所では、里親を募集している猫を里親さんにつなぐため、猫のブログを見ることができる独自の譲渡サイトを運営している。
大阪府に住む片岡さんは、その譲渡サイトでグリちゃんたち兄弟を見た。「ボロボロになっている姿を見て、幸せにしたいと思ったんです」
■グリちゃんとの出会い
片岡さんは、保護犬を飼っていたが16歳で亡くし、猫を飼いたいと思っていた。当時まだお子さんが2歳前だったので、犬の散歩や留守番のことを考え、犬より猫を選んだという。ペットショップで買うという選択肢はなかった。
ご主人に相談すると、最初は、まだ子供が小さいからだめだと拒否されたが、説得を重ね、ついに猫を迎えることになった。片岡さんはキャリーバッグを買い、すぐに天美動物診療所までグリちゃんに会いに行った。
保護主さんは、4匹兄弟を全員連れてきてくれた。茶トラの子猫が2匹、白と黒の模様の子が2匹いた。片岡さんは白と黒の組み合わせの子が好みだったので、グリちゃんを選んだ。
■1歳10カ月でFIPを発症
グリちゃんは、片岡さんのところに来ても落ち着いていて、あちらこちら探検した。ごはんもしっかり食べた。
ところがグリちゃんは、1歳10カ月の時、ある日突然ごはんを食べられなくなった。大好きなペースト状のおやつも1本食べたが、2本目は見向きもしなかった。腸からゼリー状のものが出てきたので、動物病院に連れて行った。
毎日動物病院に行ったが、なかなかFIPと診断されなかった。一週間後、腹水が溜まり始めてからFIPと診断された。
グリちゃんは体調が悪いと一緒に寝てくれなくなった。キャリーバッグの中で寝るようになった。グリちゃんの後から来た保護猫のノワちゃんは、グリちゃんのことを心配して、一日に何度も様子を見に行った。
グリちゃんは、4週間と1日頑張ったが息絶えた。