「子どもが思わず片付けてしまいたくなる」 話題のJR貨物公認コンテナ型収納ボックスを使ってみた
片付けても片付けても、一瞬で広がる子どものおもちゃ。そして間もなくやってくるクリスマスなど行事のたびに無限に増え、捨てさせてもくれない(特に男子…というのは偏見?)。そんな地獄のような光景に、立ち尽くしてしまう保護者も多いのではないでしょうか。でも、いま、「子どもが思わず片付けてしまいたくなる」魔法のような収納ボックスが話題になっているのです。
それは、フィギュアメーカー「ケンエレファント」(東京都)が作る折り畳み式の「コレクターズコンテナJR貨物」。19D形(茶)と18D形(青)の2種類で容量は50.1リットルあり、JR貨物公認で細部まで精巧に再現されています。今月初めにツイッターで話題になるや、わずか2日間で会社の在庫分が完売したそうです。
量販店ではまだ辛うじて在庫があったようで、片付けで日々怒りまくってしまう記者も、早速ネットショッピング。届いた段ボールを開けるや否や6歳児と4歳児は「貨物列車だ!!!」(←厳密には違う)とテンション激上がりで、山積みのプラレールとライダー・戦隊モノ系おもちゃがコンテナに吸い込まれるように片付いていきました。1個6千円を超えますが、これは…結構本気で、涙モノです!!!
ただ、担当者によると5年ほど前から販売していたといい、今回の売れ行きは、まさに青天のへきれきだったのだそうです。もう少し聞いてみました。
-開発の経緯を教えてください。
「弊社は『鉄道模型』さんの商品を扱う問屋さんと取引がありまして、普段の営業のついでに貨物コンテナや車両をモチーフに何か新商品ができないか、小売店側にお聞きしたんです。そうしたら『コンテナなら、そのまんま折りたたみコンテナでいいんじゃない?』と言われ、確かに面白いかも!と開発したんです」
-貨物コンテナで何か作ろうなんてシブい所を突きましたね。
「ええ。通常なら新幹線とかもっと派手で人気があるコンテンツで作るでしょうし、実際そういう商品はいろいろあったんです。ですから、当時無かったコンテナをモチーフにしてみようかという…」
-ほほー。…さすがの鉄度ですね。
「あ、いえ、担当した社員は特に、というか全然、誰も鉄道好きじゃないんです」
-は?では純粋に仕事として商品を追究した、と。
「はい。元々は鉄道模型さんの『Nゲージ』の収納ケースをそのまま収納できる-というのがコンセプトなんです。ですからNゲージのコレクターに満足して頂けるようサイズや精度、強度はもちろん、持ち手部分から埃が入ったり逆に中身が出たりしないようカバーを付けたたり、上部にカギも掛けられるなどこだわりました。ただ、実際に売ってみると子どものおもちゃ箱にちょうど良く、スタッキングもでき、本物のコンテナ置き場みたいになるというので喜んで頂いて…。今回もそうした面を評価して頂けてうれしいです」
とのこと。まるで「ひょうたんから出た駒」状態ですが、大反響を受け、年明けにも再販できるべく生産を急いでいるそうです。
今回話題になったことについて「素直にうれしいんですが、5年たってようやく商品に気付いて頂けた…!と(笑)実は2年ほど前にもパスケースが話題になったんですが、それも発売から3年経過していて…SNSの凄さを実感しています」とのことでした。
作り手の「鉄」熱はどうあれ、やはりモンスターたちを動かすには「心」をくすぐる大人の遊び心と本気度が必要なのかも。たためば厚さ9.5センチで場所も取らず、おかげで片付け下手な記者も、これでしばらく心穏やかに過ごせそうです。
(まいどなニュース・広畑 千春)