子どもにどう教える?…大阪のおばちゃんから「アメちゃんいる?」と言われたら、もらっていいのか

「アメちゃん」とは、「雨」ではなく、「飴」のことです。関西人なら聞きなれた言葉の「アメちゃん」。大阪のおばちゃん=アメちゃんを連想する人もいるかもしれません。

私は京都出身、京都在住です。そんな我が家でもアメのことはアメちゃんと呼びます。特別アメが好きで愛着をもっているというわけではありません。

関西は食べ物に「さん」をつけて呼ぶ風習があります。「お粥さん(おかいさん)」「お芋さん」「お豆さん」など。そこから派生して、アメは「アメちゃん」と呼ばれるようになったのではないかという説があります。

   ◇   ◇

ところで、私はよく知らない人から「アメちゃんいる?」といわれます。特に子どもを連れて外出するようになってから、その数は増えました。

電車のなか、バスのなか、商業施設のなか…アメちゃんをもらう場所はさまざまですが、たいてい相手はおばちゃんです。60~70代くらいの方が多いでしょうか。鞄のなかからガサゴソと探り出して、一粒のアメを私と娘に差し出してくれます。

一見すると微笑ましい光景ではあるのですが、母親である私としては考えものです。「知らない人から何でももらっていいのか?」娘にどう教えるべきなのか困っています。

「おばちゃんやったらいいけど、おじさんやったらダメやで」これは人を区別しているので、よろしくないですよね。

「やさしそうな人やったらいいけど、怪しそうな人やったらダメやで」これは何ともあいまいな判断軸になってしまうので、やっぱりよろしくない。

かといって、せっかく好意で差し出してくれているものを「いりません」と断るのも、なんだか味気ないし…

みなさんは、おばちゃんから「アメちゃんいる?」といわれたらどうしているのでしょうか?

ちなみに、関西のおばちゃんにとってのアメちゃんとは、コミュニケーションツールだそうです。アメひとつで、さまざまな年代の人との心の距離を急速につめることができる最強のツールです。

あくまでも私の肌感覚になりますが、関西のおばちゃんの80%くらいは鞄のなかにアメちゃんが入っていると思います。

うちの母も鞄のなかには何種類かのアメを忍ばせています。行く先々で私に「アメちゃんいる?」というのが習慣となっています。そして、たいしてアメがほしくないときでも、受け取ってしまうんですよね。でもその場で食べることはそんなになくて、「あとで食べよう」と思ったアメが私の鞄のなかにはいくつか入っています。

そういえば、こんなデータを見たことがあります。

それは、全国のキャンディー消費量ランキング。これだけ「アメちゃん アメちゃん」といっているんだから、さぞかし大阪は消費量が多いのだろうと思ったんですが…そこには驚愕の事実が…。

データは2017年に都道府県民1人が、1年間に何袋のキャンディーを食べているのかを掲載したものです(1袋は90g入りで換算)。

トップ3はこちら。

・1位 佐賀県 5.83袋 ・2位 滋賀県 5.44袋 ・3位 山口県 5.43袋 

そして…気になる大阪はというと…47都道府県中44位の3.32袋!

全国平均の4.16袋を下回るどころか、47都道府県中44位って…いったいどういうことなんでしょうか?人にあげるだけあげといて、自分は食べないということ?おばちゃん間で交わされたアメも、またちがうおばちゃんのところにいって…めぐりめぐっている?

まさにコミュニケーションツール。決して自分では買わないし、食べないし。でもお互いの距離をグッと縮めてくれるツールがアメちゃん。なんとも不思議な存在です。

だとすれば、私たちも、もらうだけもらって食べなければいいということでしょうか?娘にも、「これは食べるアメじゃなくて、心の距離を近くしてくれるアメなんやで」と教えるのでしょうか?んーーーー。ここに関してはまだ考える余地がありそうです。

おすすめの対応方法があればぜひ教えてほしいです。

(まいどなニュース特約・竹田 扶美可)

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