仲の良さは慎重な「ご対面」のおかげ!…母猫に置き去りにされた茶トラの猫、先住猫と兄弟のように暮らす
山田りうすくんは、子猫の時、お母さん猫に置き去りにされた。譲渡サイトに掲載されると譲渡希望者が多数現れたが、茶白の猫、もりすくんがいる家庭にやってきた。もりすくんとは、まるで本当の兄弟のように楽しく暮らしている。
■お母さん猫が消えた
2017年3月、りうすくんは譲渡サイトに出ていた。生後6カ月だった。2016年10月頃に埼玉県草加市の家の庭でお母さん猫と一緒にいたが、お母さん猫は子猫たちを残して、どこかに行ってしまった。その家に住むおばあさんがごはんをあげていたが、息子さんが「どこかに捨ててこい」と言うので、おばあさんは困っていた。やがて子猫たちを知人が保護したが、おばあさんの家には何匹も猫がいるので飼うことができず、その知人が代理募集していた。
東京都に住む山田さんは、2015年8月にもりすくんという子猫の里親さんになったが、もりすくんがあまりにも可愛く、できるだけ他の子も救ってあげたいと思い、2匹目を迎えようと思っていた。譲渡サイトで一度飼ってみたいと思っていた茶トラの猫を探すと、りうすくんが掲載されていた。結構人気があって、8名くらい応募していた。山田さんは、希望者のなかでも遠方に住んでいたが、「どうしてもうちに迎えたい」とメッセージを送った。
■絶対に飼う
2017年3月、山田さんはりうすくんを持ってきてもらい、トライアルを開始した。
「見てみたいというより、絶対に飼うという気持ちで会いました」
最初、りうすくんは、ケージの中で震えていた。
「ケージを開けて、斜めにして出てきてもらおうとしたのですが、ケージに張り付いて出てきませんでした。かわいそうに思えてきました。でも、すごく可愛かったんです」
りうすくんは、20分もするとケージの外に出てきて、部屋中を飛び回り、棚を登って天井の近くまで行った。
先住猫のもりすくんは、猫カフェにいた時、他の猫とうまくいかなかったので、りうすくんとは慎重に対面させた。最初は、においをつけたタオルの匂いを嗅ぎ合わせ、5日目に会わせた。一週間もすると、とても仲良くなった。
■ピアノを弾いたり、おしゃべりしたり
りうすくんは、もりすくんのグルーミングをしたり一緒に寝たりして、とても優しく接した。もりすくんは、「なんだ、この子?」という感じだった。
「2匹で楽しく遊んでいる光景を毎日見られるので、2匹飼って良かったなと思います」
りうすくんは、夜中にピアノを弾くことがある。ピアノの上で暴れたり、走り回ったりするのだ。声もすごく大きく、明け方にごはんが欲しくなると、野太い声で絶叫することもある。「遊んで」「トイレが終わったよ」「おはよう」など、何かとよくしゃべり、楽しく暮らしている。