【半井小絵 空を仰いで】「和の心」で向き合う~映画「めぐみへの誓い」出演

「空を仰いで=10=」

 気象予報士の半井小絵は、北朝鮮による日本人拉致問題に対し、今なお「現在進行形の出来事」として取り組み、12月には愛媛県庁で講演した。拉致被害者の家族や関係者らと接し、この問題を舞台化した演劇に女優として出演している経験などを踏まえ、政治的イデオロギーを超えた「国民全体の問題」であることを訴えた。

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 「命ある限り闘い続けます!」

 北朝鮮による拉致の疑いが排除できない特定失踪者・大政由美さんのお母様・悦子さんの言葉です。今月中旬、愛媛県庁で講演をした際にお会いしました。

 講演では「拉致問題解決のために-舞台『めぐみへの誓い』から-」として、舞台に出演する際の気持ち、ご家族の苦悩、そして政治的イデオロギーは関係なく国民全体の問題であるという話をさせていただきました。

 由美さんの失踪は平成3年。拉致は平成に入っても行われており、現在進行形の出来事なのです。

 平成14年、日朝首脳会談で北朝鮮の金正日委員長は,長年否定していた日本人の拉致を初めて認めて謝罪し、5名の拉致被害者の帰国が実現しましたが、その後、全く動きがなく、残念ながら国民の関心も薄れてきているのが現実です。

 私は舞台で拉致被害者・田口八重子さんを演じておりますが、先日田口八重子さんの御子息、飯塚耕一郎さんにお会いする機会がありました。飯塚さんは1歳の時にお母様を奪われました。

 「いつもご支援いただきありがとうございます」と声をかけてくださいましたが、私は言葉が見つからず、「何もできずに申し訳ありません」としか申し上げられませんでした。ふと顔を上げると、そのお隣には横田拓也さんと哲也さん。ご家族が頭を下げていらっしゃることを目の当たりにして、毎日、毎日、このように頭を下げ続けられている。これではいけない!笑顔で穏やかな生活を送っていただくために更に尽力することを心に誓いました。

 現在、映画版「めぐみへの誓い」の制作が決定し、ボランティアの制作委員会の方々がクラウドファンディングで資金を募っています。私も出演することが決定しました。熱い心を持った人物の役です。

 喜怒哀楽、日々の暮らしの中では様々な出来事が起こります。そんな中でも、助け合いの「和の心」を大切にして、喜びが勝る世の中になりますように。皆様、よいお年をお迎えください。

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