可愛さにごチュー意ください! 干支の引継ぎ式、毎年着ぐるみ代用続きの動物園で登場したのは…

 年末恒例、各地の動物園などで行われる干支の引き継ぎイベント。兵庫県の神戸市立王子動物園でも12月半ば、「干支の引継式」が行われました。動物はたっぷりいるものの実際に本物が出るのはヒツジ(未)やニワトリ(トリ・酉)くらいで基本は着ぐるみ、ぬいぐるみで代用するのが定番。でも、今回は来年の干支がネズミ(子)なだけに、あの大人気癒やし系巨大ネズミ、つまりカピバラが登場かとのウワサも流れました。期待し集まったファンの前に登場したのは!?

 式ではまずイノシシ(もちろん着ぐるみ)が職員に手を引かれ定位置へ。一瞬笑いが起きますが目ざといファンからは「去年のと違う、かわいくなった。女の子っぽい」との声。次にお待ちかねのネズミです。あれ?運ぶカゴが小さいんじゃないですか? 中身は…モルモットでした。1匹ずつ台の上に載せられていき、3匹並びました。つぶらな瞳がキラキラ。「カピバラ出ないの?」なんてイジワル言うのを一瞬で忘れ、「かわいい」連発。小さいのに目力すごい。

 干支の役目を終えるイノシシが「これまで以上に最高で幸せな一年になることを『亥のって』バトンタッチします」。引き継いだネズミは「き『らっと』輝く素晴らしい年に。みなさま健康にごチュウイください」と優しいお言葉。その瞳で言われるといいことありそう。ありがとうございます。

 モルモットたちは式の間、行儀よく並んだままで口先をチョロチョロ動かすくらいでじっとしています。確実にいいショットが撮れそう。始まる前、何に期待していたのかなんてすっかり忘れた様子で夢中でカメラやスマホを向ける人たち。式終了後は記念撮影タイム。年賀状にも使えそうな写真を残そうと家族連れなどの長い列ができていました。

 冷たい風が吹く中での大役でしたが載せられた台の上にはカイロがちゃんと仕込まれていたのでご安心を。3匹は左から「わさび」「トロ」「ウニ」。動物園の名付けの定番、美味しいものシリーズ。しかもごちそう感たっぷりでおめでたい式に最適。全員メスで年齢は4、5歳。ふだんは、モルモットやウサギに触ることができる「ふれあいタイム」で活躍。人前でも緊張しないタイプ(多分)なので、30匹近くいるモルモットの中から今回、選抜出場となったそう。

 3匹には失礼ながら、ウワサになっていたカピバラは、ふれあい広場でも3きょうだいを飼育中。担当者に聞くと、じっとしているのが無理、何かあったら大変、とのこと。そりゃそうですね。のんびり顔のためにおとなしい動物と思われがちですが、実はなかなかすごいのです。カピバラのウソホントクイズにその答えが。ぜひ現地でめくってみてください。意外な実態に「注(チュウ)目」です。

◆同園内の動物科学資料館では干支展「カピバラ」を開催中。ネズミ界最大&最強の人気を誇るカピバラを中心に同園で飼育しているヤマアラシ、プレーリードッグ、モルモットを中心にネズミの仲間について紹介しています(2020年5月12日まで開催予定)。 ◆ふれあい広場の「ふれあいタイム」は毎日実施。時間は10:20~10:50▽13:10~13:30▽15:00~15:20。イベントや飼育の都合等で変更されることがあります。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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