初詣は黒ミサ色の「HYDEサザン」で…“大使効果”に沸く和歌山 悲願の「存在感アップ」へ爆走中
2019年ももうすぐ終わりです。今年最大のニュースといえば、やはり平成が終わり令和になったこと。でも、どうやら和歌山市だけは少し様子が違うよう。すべては、今年1月にふるさと観光大使に任命されたL'Arc~en~Cielのボーカルで同市出身のHYDEさんのおかげなのだとか。今月23日にはHYDEさんデザインの南海電鉄「HYDEサザン」も登場。若者たちも「最近和歌山アガってない?」という、まちの様子を聞いてみました。
ふるさと観光大使は、HYDEさんが誕生日に合わせ同市内で開いたライブの最終日に尾花正啓市長が委嘱。効果は絶大で、就任をつぶやいた和歌山市の公式ツイッターにはHYDEさん本人を始めかつてない件数のリツイートと「いいね」が寄せられたとか。HYDEさんのつぶやきからハッシュタグ「#なんて素敵な和歌山でしょう」も登場し、今も「毎日必ず誰かがつぶやいて下さっている」(市観光課)とか。さらに「聖地巡り」をするファンのおかげで、日本人を中心に観光客も増加しているといいます。
HYDEさん自身も差し入れに和歌山ラーメンを持参するなど「何かにつけて和歌山をアピールしてくださっている」(市幹部)といい、ライブ会場にはHYDEさんの提案で和歌山の物産コーナーが。ブースには長い列ができ、駆け付けた幹部も「京都や北海道とかならともかく、和歌山のブースに列ができるなんて、初めての経験で…!」と声を弾ませます。
このほか、和歌山市役所1階には記念ギャラリーが設置され、和歌山市内の郵便局では数量・期間限定で特製年賀状セットを発売。和歌山中央郵便局の一角は期間中、闇色に染まったのだとか(現在は終了)。東京にある和歌山「県」のアンテナショップにも、HYDEさんの好物「グリーンソフト」やそのマスコットがデザインされたTシャツを着たパンダのぬいぐるみが並び、ついには、HYDEさんがデザインした南海電鉄の特急「HYDEサザン」がクリスマスの迫る12月23日に運行を開始しました。
宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」に似ているとされ、HYDEさんも好きだったという紀淡海峡の無人島友ヶ島の遺跡を背景に、今年1月の黒ミサライブ時の写真や観光地の写真が浮かび上がり、もちろん「なんて素敵な和歌山でしょう」の文字も。HYDEさん自身、高校時代にサザンに乗って通学していたといい、出発式では「当時の自分に行ってあげたいですね! とても可愛らしい電車になりました。僕自身も早くこのサザンに乗って和歌山へ帰りたいです!」とのメッセージも読み上げられました。
黒を基調にしたデザインだけに「怖い…」と顔をこわばらせる幼児もいましたが、市観光課は「とても素敵なデザインで、もう本当にうれしくてありがたくて。“怖い”ですか?そういうご意見は初めて聞きましたが、HYDEさんがおっしゃるように『とても可愛らしい』と思います!」と力説。「近畿の中では少し印象が薄めだったかもしれませんが、HYDEさんのおかげで、あまり知られていなかった魅力にも気付いて頂けているのでは」とし、年明け1月29日の誕生日にはライブDVDの発売が予定されており、「来年も、全力で“乗っからせて”頂きたいです!!」と力を込めていました。
ちなみに、HYDEサザンは新年1月1日も上下計12本を運行予定。和歌山には由緒ある神社仏閣も点在していますし、黒ミサからの初詣って…「なんて素敵な和歌山なんでしょう」!!
運行情報はこちらhttp://www.nankai.co.jp/var/rev0/0013/3359/hyde_time.pdf
(まいどなニュース・広畑 千春)