腕にケガ…「助けて」と目で訴えかけていた子猫は瀕死の重傷 完治に3カ月、寝不足になりながら救った命
庭に遊びに来ていた猫が子猫を産んで連れてきた。ある時、1匹の子猫がぐったりしているのを発見した谷垣さん。急いで動物病院に走り、子猫は一命を取り留めた。家族と話し合い猫を飼うことにしたのだが、いまではなくてはならないパートナーになっている。
■ぐったりしていた子猫
2019年8月11日、神奈川県に住む谷垣さん宅の庭に、ごはんを食べにくる猫がいた。ある日、庭で子猫の鳴き声がしたので、「あれ?」と思って見てみると、その猫が産んだ5匹の子猫がいた。近づくと、お母さん猫はフーッと威嚇した。谷垣さんは、みんなを見守っていた。
数日後、外に置いていたサンダルにもたれかかっている子猫がいた。「おかしいな」と思って見に行くと、手が3倍くらいに腫れあがっていた。「助けて」と目で訴えかけている。
谷垣さんは子猫を抱き上げ、以前犬を飼っていた時のかかりつけの動物病院にタクシーで走った。
生後2、3カ月、熱は40度もあり、あと1日遅ければ亡くなっていたかもしれないと言われた。
■3カ月かかったが完治
兄弟でじゃれていた時にケガをしたのかもしれないが、右腕に小さな傷があり、そこから細菌が入ったのが原因だった。
病院で「お名前は?」と聞かれて、「飼い猫じゃないんですよ。いま保護したんです」と言ったが、ふとforeverという単語が浮かんで、フォーじゃおかしいし、エバくんにしようと思ったという。
谷垣さんは一日おきに病院に通い、うみを抜いてもらい、抗生物質を飲ませた。
三カ月間通院して、熱は下がり膿も無くなった。ただ、右ひじが曲がらなくなったので、歩く時はゆっくり歩く。少しぎこちないが走ることもできるそうだ。エバくんが完治するまでの三カ月間、谷垣さんは一生懸命看病したので寝不足になってしまった。
同居している義母も交えて、「どうする?」と話し合い、その時はまだ子猫だったので、「可愛いし、猫なら大人しいから飼おう」ということになった。
■そばにいてくれるだけで幸せ!
エバくんは幼い時にお母さん猫と離れたので、谷垣さんのことをお母さんだと思っている。夕方になると「遊ぼう」と言うので、猫じゃらしなどで遊んであげるという。ひものついたおもちゃが大好きなので、谷垣さんは腕が痛くなるほど付き合ってあげている。
獣医さんは、「猫の世界では、ちょっと障害があるといじめられる可能性が高いんです。エバくんは大きいけど、絶対に外に出さないでください」と言った。
高いところから飛び降りると骨折する可能性があるため、キャットタワーも50センチくらいの高さのものを設置している。
「ジャンプする遊びはすぐに疲れてしまうので、床を這うような遊びをさせています。もう1匹猫がいたら一緒に遊べるのにと思うのですが、追い回されて腕に負担がかかるかもしれないので心配で飼えません。でも、私と一緒に寝てくれるし、腕枕をすると腕でフミフミしてくれるんです。『最高のひととき!』です」
義理のお母さんも、家にいることが多いので、「エバが横にいるだけでひとりじゃない感じがして安心」と言っている。