意外と知られていない…コアラの袋は下向きだった! 生まれる赤ちゃんは1円玉サイズ

赤ちゃん生まれてるかも-。神戸市立王子動物園のコアラ舎にクッション材が敷かれたのが昨年11月ごろ。メスのお腹辺りでうごめくものがないかじーっと見つめ、時たま見える手や耳らしきものに一喜一憂し、聞かれもしないのに「赤ちゃんいますよ」と教える人が増殖。年末には2頭も生まれていたことが発表され、期間限定のかわいらしい姿にたくさんの人が幸せ共有中です。

「ウメ」(梅、9歳)の赤ちゃんは2019年5月15日生まれ。「オウカ」(桜花、3歳)の赤ちゃんは5月20日。出袋日は11月18日、26日。母親のお腹の袋から赤ちゃんの全身が出たことが確認された日のことですが、ここで「袋??」とつぶやいた人は7割、いや8割かも。

コアラはお腹の袋の中で赤ちゃんを育てます。同じ有袋類のカンガルーと同じですが、袋の出入り口は真逆。カンガルーは上からで、コアラは下から。これは「ウソでしょ」が9割かも。下から出入りする袋なんてレジ袋をためて下から引き出すアイデア商品みたい。よっぽどワケがありそうです。

体長2センチ、体重1グラム以下というジャスト1円玉サイズで生まれる赤ちゃん。自力で這い上がり母親の袋の中へ。下向きなので移動が短く済み、さらに、生きるために必要なものを母親から得やすくなっています。

コアラのエサは毒性があるユーカリの葉。毒素分解のための微生物を母親のウ◯チから離乳食としてもらいます。そのため肛門に近い方に袋の出入り口があると便利。かわいさばかりが目立つコアラですが、不思議な方法で生き延びてきたんですね。

ふだんは単独生活で寝てばっかりなのに、いつの間に子どもができる程の恋をしているのでしょう。副園長の「オカン」(親しみを込めてこう呼ばれています)によると、繁殖期になるとコアラは「よっぱらいのおっさんがゲロ吐くみたいな」鳴き声を出すとか。そのタイミングで密かに同居となるそう。

小さすぎな赤ちゃんの誕生日がなぜ分かるのかも疑問。やはり監視カメラ?実はコアラは交尾から約35日後に出産するので、そのころにお腹の袋の中をのぞき見して確認。まさにアナログ…。

ところでコアラ舎でよく聞くつぶやき。定番の「寝てる」「起きてる!」に加え、「めっちゃおる」も。入り口から順に「子ども3頭の父親」として世間をざわつかせているピーター(3歳)。次はオウカと赤ちゃん。奥に進むとウメと赤ちゃん、窓際には恋待ち男子のシャイン(2歳)、そして締めにどっちが親か分からないほど体も態度も大きくなったエマ(メス、1歳)とウミ(海、5歳)=展示場所は2020年1月6日現在。それぞれの特徴は思わず二度見してしまう個体紹介パネルでどうぞ。

現在、日本にいるコアラは全国7カ所の動物園で50頭ほど。王子では計8頭に。「赤ちゃんはあっという間に大きくなるので見るなら今。抱っこ、おんぶ、そのうち親を踏みつけ…」とオカン。それ、最近のウミ・エマですね。こちらはいつ独り立ちになるのか気になるところ。

動くコアラを見るには毎日11時頃のお食事タイム、開園直後の掃除の時間や、夕方も可能性大。何度も見に行けば1頭くらい起きていそう。もし全員寝ていたら、それはそれで「コアラらしい姿」ということで、喜んでいただければ幸いです。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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