日本のアニメ・キャラクターが世界市場に浸透した影響力 流通アナリスト・渡辺広明氏が解説

 流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」。今回のテーマは「日本のアニメ・キャラクター」。世界の市場でアニメが兼ね備えた経済的な影響力を解説した。

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 日本にいると不満が多くなるのに、海外に行くとついつい日本の自慢をしたくなります。

 行く先々で、ホンダ・ヤマハ・トヨタなど、車窓に見える日本車やバイクがいかに素晴らしいかと専門家でもないのに自慢しまくる。ソニーやシャープなどの屋外広告の家電も自慢の種でしたが、2000年以降、サムソンやハイアールなどの広告が増え、少し寂しくなっていました。

 そんな中、私の近頃の自慢の拠り所は、日本のアニメ・キャラクターです。ドラえもん・ハローキティ・ポケモン・スーパーマリオなど、枚挙にいとまがありません。NPO活動をしている時、ラオスに小学校を建てた際に小学生と仲良くなったのはドラえもんの絵描き歌でした。

 人口減により、国内マーケットがシュリンクする中、これからは、TPP11、日欧EPA、日米貿易協定など海外との交易が増えていくのは間違いなく、子どもたちが将来働くようになった時には、アニメは世界どこに行っても世代を超えて会話が成り立ち、商談でも場を和ませる雑談ナンバー1コンテンツで交流の源になるのではないでしょうか。

 アニメ・キャラクターなどを中心とするジャパンエキスポは、フランスのパリでは1年間の展示会で来場者数が25万人近い、最も集客を出来るイベントとなっていて、タイや米国でも開催される程、世界で幅広く支持されています。

 国民的漫画となったワンピースも2019年7月から日本を舞台とした「ワノ国編」が人気。富士山や神社などの風景やお米や魚の食材も日本らしさ満載の内容に。また、ガンダムシリーズも、日本の戦乱を舞台にした戦絵巻「ガンダム武頼」の連載がスタートして、図らずもオリンピックイヤーに人気漫画が次々と日本を舞台にしたものに移行しています。

 アニメ・キャラクターは全世界から集まるインバウンド観光客の目玉コンテンツとして益々世界に向けて強く羽ばたく年となりそうです。今後はその強さを活用して海外で少し苦戦する家電もアニメとキャンペーンや商品開発などでコラボして日本総力戦で世界と勝負していく手もあるかなあとマーケターとしては思ったりもしています。

◆渡辺広明 マーケティングアナリスト。1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニエンスストアの店長、スーパーバイザー、バイヤーとして22年間、メーカーのマーケッターとして7年間従事。現(株)やらまいかマーケティング代表。商品開発700品の経験を活かし、顧問、講演、バラエティから報道までのメディア出演と幅広く活動。フジテレビ「Live News a」のレギュラーコメンテーター。

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