子どもの才能伸ばす習い事…増やしてあげたいけど…進学費用は大丈夫? みんなのかけてる金額をご紹介!
昨年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートしました。「かかるはずだったお金が浮いたから、子どもに習い事でもさせてあげようかな…」そう考える方も多いかもしれません。しかし無計画に子どもの習い事を増やしてしまうのは危険!習い事をさせるときに気をつけたい、お金の注意点をご紹介します。
■みんな習い事にどのくらいのお金をかけている?
そもそも、よそのご家庭では子どもの教育費にどのくらいかけているのか、気になりますよね。文部科学省「子供の学習費調査」から習い事や塾にかけるお金の平均をご紹介します。
まずは、学年別の平均費用を見ていきましょう。
就学前から小学校4年生ごろまでは、子どもにあまりお金がかからないため、習い事をする家庭が多く見られます。図1を見ると、ピアノや水泳などの習い事にあたる「その他の学校外活動費」にかけるお金は3歳から徐々に増え、小学校4年生では月平均で約1万2,000円に。小学校5~6年生になると学習塾に通う子どもが増え始めます。学習塾や家庭教師などにかかるお金「補助学習費」の小学校6年生の月平均は約1万1,000円となっています。
中学校では部活が始まり学校外での習い事が減る一方、塾代の費用が増えます。特に入試が迫ってくる中学3年生になると、補助学習費が大きく増加し、月平均は約3万円にも!高校時代も学習塾にお金がかかります。大学進学を目指す場合は、高校受験時以上にお金がかかるケースも少なくありません。
■大学等ヘの進学費用をためた上で、無理のない額を習い事に
子どもの習い事にどのくらいお金を使えるかは、世帯年収によっても異なります。世帯年収別の平均費用が、子どもに習い事させる際の一つの目安になるでしょう。例えば、世帯年収400~599万円の家庭なら小学生の場合月1万2,500円程度、中学生の場合2万円程度です。
ただし、習い事をさせる場合には「将来の教育費を確保しておく」のが大原則。最も教育費がかかるのが大学時代です。私立大学文系の場合、4年間でおおむね400万円のお金がかかります。この費用を計画的にためた上で、余裕のある分を習い事に回すのが望ましいでしょう。具体的にどのくらいのペースでためればいいかというと、大学入学までに400万円の貯金を目標とした場合、0歳から18歳までコンスタントにお金をためるなら月々1万8,500円程度。
とはいえ中学生や高校生となって受験が近づいてくると受験費用や学習塾などにお金をかけざるをえません。この時期は思うようにお金を貯められないので、比較的余裕のある、子どもが小学校低学年までにできる限り貯金をするのが得策です。
習い事費用が膨らみすぎないようにするには、まず毎月一定額貯金をした上で、「習い事にかけるお金はここまで」とセーブしておくことが大切です。学習塾代に関しても、勧められるまま多数の講座を受講するのではなく、年間で出せる上限金額を決めておき、予算を上回りそうな場合は苦手科目に絞って受講するなどして対策しましょう。
習い事や学習塾は子どもの才能を伸ばしてくれるものなので、できればやらせてあげたい…そんな気持ちの方が多いでしょう。しかし一方で習い事にお金をかけすぎて、奨学金などを利用することになれば子ども自身が社会に出てから苦しむことになりかねません。そう考えれば習い事をさせるだけでなく、できる限り子どもの進学費用も用意してあげたいものです。
子どもがある程度大きくなったら、本人のやりたいことや進路の希望を聞きつつ、お互いが納得できるお金の使い道を探っていきたいですね。
(ファイナンシャルプランナー・田中 瑛子)