獣医師に聞く「爪研ぎのしつけ方とは?」 猫ちゃんが爪切り嫌がって壁やドアで…どうすれば?
こんにちは。二十四節気では、4日に「立春」を迎えました。19日頃は「雨水」と言われ、だんだん雨が多くなり春を迎える準備を始める時期です。中医学では、春は「肝」の働きが活発になる季節です。肝はストレスに弱いので、疲れやイライラをため込まないようにすることが大切です。是非、猫ちゃんと日向ぼっこするなどゆったりと楽しい時間を過ごしてくださいね。
【質問】爪研ぎは置いてあるのですが、壁やドアで研いでしまいます。爪を切られるのも嫌いで毎回暴れます。しつけ方を教えて下さい。(神奈川県・壁ボロボロ)
【回答】猫と生活をしている飼い主さんに時々ご相談いただく内容ですが、大変ですよね。仔猫ならしつけができることもありますが、成猫だと難しい場合が多いので色々な工夫をしてみましょう。
爪研ぎは、爪のお手入としてはもちろんのこと、マーキングや気分転換、ストレス発散の為にも必要です。
爪研ぎの素材には段ボール、麻縄、綿縄、木材などがあり、種類も置き型、ポール型、ソファー型、ハウス型など様々です。爪研ぎではない場所で爪研ぎをしてしまう場合は、素材を変える、置き場所や置き方を変える、苦手な臭いの忌避剤、爪研ぎ防止シートを使用するなど、試してみていただきたいことが色々あります。病院スタッフの猫は、床に置いていた爪研ぎを壁に立てかけただけで、壁での爪研ぎがなくなりました。
爪切りが苦手な猫ちゃんも多いですね。まず、リラックスしているときに猫ちゃんの手足を触ることから始め、慣れたら爪の先端の鋭く尖ったところだけ、1日1本切ることを目標にしてみてください。
爪切りの種類もギロチンタイプやはさみタイプがあり、切る順番も後ろ足から前足にしたり、外側から内側にしたりと工夫することができます。洗濯ネットや猫用の保定袋も有効です。当院の患者さんで座布団カバーを上手に使っている方もいらっしゃいました。
ポイントは躊躇せず迅速に切ること。猫は飽きやすいので短時間で終わらせる必要があります。それでも難しい場合は、大切な信頼関係を失わないように動物病院に行くことをお勧めします。
◆小林由美子(こばやし・ゆみこ) 獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療はもちろん予防やしつけなどにも造詣が深く、講演活動も行う。ペットと飼い主双方に寄り添う診療が信頼を得ている。