京都市バスの車内で遭遇した心温まるできごと 快適な移動をかなえてくれた運転手さんの心遣い
京都市内を移動するならバスが断然便利。京都市内はバスであれば行けない場所はほとんどないと言えるほど、路線網が充実しています。
京都市民である私も市バスは日常茶飯事に利用しています。そんな京都市バスの不祥事をニュースで耳にして心苦しくなった市民は少なくないでしょう。
それは2017年に報道されたニュースです。ニュースによると、「足が不自由な女性客が車内で2度転倒したのに助けなかったうえ、不適切な発言をしたとして運転手を懲戒免職処分とした」ということでした。その他にも、「ブザーを押して乗車しようとした小学生の男の子を無視して発車し、その子が転倒したのに救助しなかったとして停職の懲戒処分を受けた」というニュースや、「運転中にスマートフォン操作をしていた」など、京都市バスの残念なニュースが相次いでいます。
このような話を耳にすると、一利用者として不安を感じないわけにはいきません。
しかし、先日、京都市バスにてこんな素敵な運転手さんに遭遇しました。
それは京都駅行きのバスで起きました。平日の午後1時頃、京都駅に向かうバスは満席でした。そんなとき、とある駅で一人の女性が乗車されました。それは80代くらいの女性で、片手には杖をもっていらっしゃいました。女性は空席がないか辺りを見渡しています。その女性に気づいた30代前半くらいのスーツ姿の男性が席を譲ります。すると一部始終をみていた運転手さんが、「お席をお譲りいただきありがとうございます」とマイク越しに言いました。予期せぬ運転手さんからのお礼に席を譲った男性も心なしか照れくさそうにしていました。
その後も、素敵な運転手さんが運転するバス内にはやさしい空気が流れます。誰かが自分の降りる駅が近づき降車ボタンを押せば、「お知らせいただきありがとうございます」と運転手さんのひとこと。また、誰かが運賃を財布から出すのに手間取っていると、「慌てずご準備ください」のひとこと。運転手さんから発せられる一つ一つの言葉には、乗客を思いやる気持ちが感じられました。
安全はもちろんのこと、快適な移動をかなえてくれた京都市バスの運転手さん。おかげで安心して目的地までたどり着くことができました。
(まいどなニュース特約・竹田 扶美可)