一斉休校でシッター問い合わせ急増…しかしシッターらも子育て中!→急きょ会議室まで託児スペースにして対応
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が全国の学校に一斉休校を要請したことを受け、ベビーシッター派遣業者への問い合わせが急増しています。病院や企業の事業所内保育所の中には受け入れの規定を小学生まで拡大するところもあり、ニーズ拡大を受け、シッターら向けに託児スペースを作るなどして対応するところもあります。
全国で事業所内託児所やシッター派遣事業などを手掛ける「ポピンズ」(東京都)。広報担当者は「特にシッターの問い合わせは昨年の10連休を上回る勢い。安倍首相の要請が報道された昨日の夜から一気に増え、今朝からも電話がひっきりなしにかかっている状態です」と話します。
教育研修を受けたナニー(ベビーシッター)は全国で約2000人いますが、小学生の子どもがいる人も少なくありません。社員でも子育てをしている割合は約6割に上り、東京本社では急きょ空いていた会議スペースを社員用の託児スペースにレイアウト変更し、2日以降利用できるようにしました。
ある関西の病院では、医師や看護師を確保するため、本来6歳までだった託児所の利用条件を一時的に小学生までに引き上げるところも。同社によると、事業所内託児所へのニーズが高まっているとともに、「特に小学校低学年のお子様を持つ親御さんに不安が広がっている」と指摘します。
学習塾や習い事も休講になるところが増え、宿題といっても限られ、学業面での不安を口にする保護者も少なくないとか。一方で、小学生ともなれば1日中シッターと2人で過ごすのも退屈になりがちで、「家庭教師をお願いできないか」「1人のシッターさんに2~3人の子どもを預かってもらえたら」「自分は在宅ができるが、ママ友は無理なので、その子も一緒にできませんか」といった問い合わせも増えているといいます。
事業所としても「1人につき1人のシッターでは担い手が足りなくなる」といい、同社では「元々ニーズはあり、個別に対応してきたが、皆さん本当に困っていらっしゃる。パッケージにない部分もできる限り対応を広げていく方針です」としています。
在宅ワークを推進…といっても、たとえ小学生でも子どもの世話をしながら通常通りの仕事…というのはかなり難しいもの。もちろん、職種や業種、システムの状況によっては在宅ができない仕事は少なくありませんし、費用の壁も低くはありません。2人の子どもを育てる公務員の女性は「いざという時、保険としてシッターも考えている」としつつ、「会議室を託児スペースなんて、絶対に無理。役所も含めて柔軟な対応をしてくれたら…」と訴えていました。
(まいどなニュース・広畑 千春)