「お月様からのプレゼント」 墓地で捨て猫を保護、お腹に満月模様

千葉県に住む桑原さんは、犬の散歩をしている時に墓地で捨て猫を発見した。連れ帰ると、子猫のお腹には満月のような模様があった。子猫を発見する前日、桑原さんは満月に近い月を眺めて物思いにふけっていた。「お月様からのプレゼント?」、縁を感じた桑原さんは、子猫を家族として迎えることにした。

2011年8月、千葉県に住む桑原さんは、豆柴の朋くん(ともくん)を連れて散歩していた。自宅近くの墓地にビニール袋があり、ゴミだと思ったが朋くんが反応。「どうしたの?」と近づくと、ビニール袋の中には猫が入っていた。子猫は犬が近づいても逃げなかった。

白とグレーの被毛だったので、ビニール袋に泥がついて乾いたように見えたという。他に子猫の姿はなかった。「どこから来たのかな、捨てられたのかな」と思いました。

子猫は素直に桑原さんに抱かれたが、抱っこにはなれておらず、家に着くまで暴れていた。

「離すと逃げてしまうかもしれないと思ったので、必死に抱えて帰りました。でも、暴れる元気があるなら大丈夫。助かる、助けられると思いました」

■満月と子猫の模様

子猫を連れ帰るとノミがついていた。元気だったのでシャンプーすると、子猫のお腹に月のような模様があった。満月を思わせる模様には見覚えがあった。

子猫を保護した日の前日は桑原さんの誕生日で、月を見上げていろいろ思いを馳せていた。明るく夜空に輝く月は、翌日か翌々日満月になる月だった。その月の模様がお腹にある子猫。「これはきっとお月様からのプレゼントだ!」と桑原さんは思った。

「私がママになる。なりたい」と思い、家族を説得し、うちの子にしたんです。

名前は「ルナくん」にした。

■手のかかる子だけど可愛い

ルナくんは猫風邪をひいていたので、しばらく先住猫とは別の部屋で過ごした。怯えることもなく、のびのびとくつろいでいた。食欲は旺盛だったが、やせていた。

ルナくんは異色症で、ビニールやタオル、毛布、洋服など手当たり次第に食べてしまう。少しの間も目を離せず、ふわふわの敷物も敷いてあげられない。目を離せない時は、ケージに入れている。

2019年、ピタッと食欲が無くなったので、「もしや腸に何か詰まったのか?」と通院して検査をしたが、何も異常は見つからず。9万円もかけて治療や検査をしたのだが、13日目に食欲が戻り、ケロっとしている。

他の猫とは合わず、互いに受け入れない。流血騒ぎの喧嘩になり、お互い皮が裂ける惨事になった。ルナくんは、ママの部屋でケージに入っている。

「異食症といい、喧嘩といい、何かと手のかかる子ですが、お月様からのプレゼント。私には宝のような子なんです。あと10年は頑張ってそばにいてほしい。私もそばにいたいと思っています」

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