えっ写真?写真よりキレイ!緻密過ぎる「梅田」のイラスト…隠しネタも満載と話題
立ち並ぶ高層ビルに行き交う車、入線してくる快速電車…。雑踏の喧噪まで聞こえてきそうなイラストが今、ツイッター上で話題を集めています。描いたのはハンカチ(@koutyakizoku)さん。まだ未完成というこの絵に込めた思いを聞きました。
絵は、大阪市北区にあるJR大阪駅を、御堂筋の阪神百貨店側から描いたもの。2月23日に「これを描き始めたのが全ての間違いだった」とツイートしたところ、「やばすぎる」「え?写真?絵?」と錯乱する人が相次ぎ、これまでに2.3万リツイートと13.2万いいねを集めています。
ハンカチさんによると、この絵はパソコンで描く「デジタルペイント」で、実際のサイズはA3(解像度は300)だそう。アナログ人間の筆者にはちょっと異国の言葉のようです。
-制作にはどれぐらいの時間が?
「この絵は制作途中で、まだ完成度としては7~8割なんですが、1か月以上はかかっているかと思います。もちろん、時間を掛ければ良いものではないのであまり褒められたものではないんですが…」
-なぜ梅田を?
「たまたま友達と大阪を訪れる機会があり、私自身大阪駅を訪れたことがなかったので、都会的でとても美しい風景に感動して、これを描きたいと思いました」
-うまく描けたな、と思うところは?
「あまり自分の作品に満足することが無いのですが…しいて言うなら左下の信号機回りの描写かと思います」
-日陰でここまで再現できるんですね…車も今にも動きそうな。「写真と思ったら実は看板の文字が違った!」という趣旨のリプもありましたね。
「ネタという訳では無いのですが、企業の看板などは少しオマージュの様な形で、写真(現実)とイラストの差別化を図っています。PCなので打ち込んで貼り付ければいいのですが、それだとやっぱり違和感があるので、手描きにしています」
「今回バズったことは、正直な感想は困惑という感じです。私としては製作途中のイラストをTwitterに投稿したつもりだったのでここまで反響を生むとは予想外で…。でも頂いたコメントはどれも暖かく『完成を楽しみにしています』や『頑張ってください』のような応援の言葉、また『写真より綺麗です』などは特に嬉しかったです。今後もこれに満足せず、技術の向上を目指して沢山のイラストを描き続けたいです」
と話してくれました。
ハンカチさんは今24歳。ツイッターではこの作品以外にもリアル過ぎる電車の絵や、雰囲気ありまくりの風景画なども見られます。小学生の頃から絵が好きで、中学生の頃にインターネットを使うようになってデジタルペイントを知り、実際に移行したのは高校生になってからだそう。今のようなリアルタッチの背景を描くようになったのは、友人に勧められ、大ヒットした映画「君の名は」を見てからといいます。
デジタルペイントを始めた当時はソフトやペンタブレットの扱いに慣れずに困ったことも。「最近では小学生でスマホを持つ時代なので、最初からデジタルペイントという方もいらっしゃると思います。個人的な意見ですが、デジタルペイントだけよりは鉛筆や絵の具を使って絵が描ける方が表現の幅は広いと思います」とハンカチさん。
ちなみに作品としては「大きな部分を描いた後は細かい所の作業ばかりになるので、急激に進みが感じられなくなってモチベーションが下がってしまう」といい、ここからが勝負なのだとか。いかにリアルに再現するか線を加えたり、反射の光の具合にこだわったりと試行錯誤を繰り返しているそうです。
まさに、「神は細部に宿る」。完成が待ち遠しいです。
(まいどなニュース・広畑 千春)