徳勝龍関も食べた近畿大学相撲部のちゃんこ鍋、代々伝わる強い身体を作るためのレシピとは
大相撲初場所で見事初優勝を飾った徳勝龍関も食べた近畿大学相撲部のちゃんこ鍋。いろんな食材を使うので栄養豊富なのですが、作り方は簡単です。近畿大学相撲部に代々伝わるちゃんこ鍋の作り方を教えてもらいました。
■基本の作り方
近畿大学相撲部では、1回生が当番制で毎日ちゃんこ鍋を作っています。なんと一人で29人分作るというから驚きです。朝5時半から炊飯、6時前から鍋の仕込みを始め、稽古が終わって帰ってくる部員たちのために11時30分くらいから食べられるよう準備します。
「運動してから食べると、よく吸収できるんです」
取材当日は、1回生の加納佑真くんが担当。手際よく仕込みをしていました。
「ちゃんこはちゃんこでも、月曜と木曜は水炊き、火曜はしょうゆ味、水曜は塩味、金曜はチゲ、土曜は味噌と毎日味を変えるんです。みそキムチや豆乳鍋にすることもあります」
しょうゆ味の基本の材料は、
・鶏もも肉
・豚バラ肉(厚切り)
・鶏肉(1.5kg)と豚肉(1.5kg)のミンチのつくね
(豆腐半丁と卵2個、パン粉大さじ15杯、塩コショウ、ゴマ油、チーズ、ニラ、大葉適量も加えます)
野菜は、
・ほうれん草
・白菜
・えのき
・もやし
・玉ねぎ
・しいたけ
・きくらげ
その他、豆腐やこんにゃく、ちくわなどの練り物も加えます。
だしは、水に顆粒だしをくわえ、酒、みりんを同量、うすくちしょうゆとこいくちしょうゆを同量で調味します。臭み消しにしょうがやにんにくのすりおろしも加えます。
■おいしく食べてもらいたいという気遣い
手際よく材料を切り、きれいにバットに並べる加納くん。
「材料をごちゃごちゃ並べるのではなく、きれいに並べます。そのほうが美味しそうに見えるんです。見栄えも大事にするよう先輩から教わります」
大胆な男の手料理というより、繊細な気遣いを感じさせました。
入部すると最初は2回生の先輩が一緒に作りながら教えてくれますが、3回目からは一人で作るそうです。「適当に教える先輩もいますが、自分で考えるようになります」
★作り方
1.しいたけと玉ねぎ、水で戻したきくらげをお湯に入れます。
2.煮立ったらだしの材料を加え調味。さじ加減が大切。
★ここがポイント!
3.肉は早く入れすぎるとパサパサになってしまうので、稽古が終わったという電話があったら鍋に入れます。ご家庭でも、食べる直前に入れましょう。
4.続いて野菜などを入れます。具材を入れる時も見栄えを考えて丁寧に。 なんでもいいから具材を投入するのではなく、「一番おいしい状態で食べてほしい」という気持ちが大事。その精神を脈々と受け継ぐのが近畿大学相撲部のちゃんこ鍋なんです。
■おすすめは豆乳ちゃんこ鍋
毎日風味が変わる近大相撲部のちゃんこ鍋ですが、今回案内してくれた辻野さん一番のおすすめは豆乳ちゃんこ。市販の豆乳ちゃんこ鍋のもとに豆乳を加え、すりごまや味噌で味を調えます。具材は、しょうゆ味と同じで豚肉と鶏肉を使いましょう。
塩に中華風だしの素、鶏ガラを入れてスープを取ってもいいですし、味噌は、しょうゆベースに味噌を加えます。食べる直前にごま油をかけても構いません。お好みでアレンジしてみてください。
お皿に盛りつける時も見栄えが大事。ぐちゃぐちゃに入れるのではなく、きれいに盛り付けます。
取材当日のサイドメニューは、鶏天と豚キムチなど。手際よく作ります。
続々と稽古を終えて帰ってくる部員たち。4回生から順に食事を摂ります。頃合いを見ておかわりをよそったり、お茶を足したり、きびきび動く加納くん。近畿大学相撲部のちゃんこ鍋は、味が美味しいのはもちろん、最後まで美味しく食べてもらいたいという心のこもった料理です。
(まいどなニュース特約・渡辺 明)