毎日玄関で待っていた見ず知らずの猫 保護した後は典型的なツンデレ猫に

 玄関のドアを開けたら唐突に入ってこようとした見知らぬ猫。来る日も来る日も玄関ポーチで家人の帰りを待っていた。迷い猫なのか野良猫なのか、捨てられた猫なのか分からない。2匹の猫を飼っていた田中さんは、放っておくこともできず、どうしたものか考えた。

 2018年3月4日の朝、高知県に住む田中さんが玄関のドアを開けると、1匹の猫が玄関に入ってこようとした。驚いた田中さんは、「おいおいおい~」と、慌てて猫を外に出した。「突然、何が起こったのか分からない状態でした。猫を飼っているので、おいそれと家の中にいれるわけにもいかず、ひとまず外に出したんです」

 田中さんの住む地域は、野良猫や野良犬がおらず、猫を飼っている人は完全室内飼いをしているので、飼っているのかいないのかすら分からない。なぜ突然猫が現れたのか分からなかった。

 田中さんは、翌日の月曜日から出勤したのだが、お昼の休憩で帰ってきた時も夕方帰ってきた時も、同じ猫が玄関ポーチで待っていた。庭にたくさん木が植わっているので、隠れやすいのが良かったのかもしれない。

 初めて現れた日から4日が経ったが、猫は毎日、田中さんが帰ってくると玄関ポーチで待っていた。

「お腹がすいていると思ったので、ごはんをあげようかと主人に相談したのですが、無責任にごはんをあげて、あとは放ったらかしというわけにもいかず、あげないことにしました」

 そうはいっても、猫のことが気になって仕方なかった田中さん。普段は自転車通勤しているのだが、たまたま歩いて通勤した日の帰り道「私を見つけた猫が足元に来て、尻尾を立てて一緒に歩いて帰ったんです。主人もずっと気になっていたようで、私たちは、迷子でなければうちの子にすることにしました」

 ご主人が迷子の届け出がないか調べたが、出ていなかった。3月10日、お月ちゃんという名前をつけて田中さんは猫を正式に家族にした。病院に連れて行ったが、ノミやダニもついておらず、歯は真っ白。推定1歳くらいだということだった。誰かに飼われていた可能性もある。

 2匹の先住猫、のんちゃん、キキちゃんは、お月ちゃんを快く迎えてくれて仲良くなった。お月ちゃんは、2匹がいると遠慮がちだが、みんなが2階にいて1匹だと膝の上に乗って甘えてくる。甘えたいのに、フンッという感じの時もある典型的なツンデレ猫。

 田中さんがトイレに行こうとすると、2人っきりになれると分かっていてついてくる。足元ですりすりしたり、ゴロゴロ言って甘えるという。お月ちゃんの出自は今も謎のままだ。

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