チワワ&ブルドッグ好きの夫婦が初めての猫飼い 「思った以上に可愛い」
東京都に住む大沢さんは、犬好きの夫婦だった。ただ、ご主人はチワワが好き、大沢さんはブルドッグが好きで、犬を飼おうと思ってもなかなか意見が合わなかった。周囲に保護猫を飼っている人が増えて、「猫を飼いなよ」と勧められたのをきっかけに大人の保護猫を探し始めた。
■猫風邪でボロボロになっていた子猫たち
東京都港区で、主婦が中心になって猫の保護活動をしている団体「みなとねこ」。外猫にエサを与えているエサやりさんから、ある地域猫のTNRについて相談を受けていた。すると、その地域猫の縄張りの近くに子猫が4匹いるという連絡があった。子猫たちの写真が送られてきたのだが、みんなひどい猫風邪をひいていた。
三毛猫の母猫が資材置き場のようなところで出産したのだが、みんな目やにや鼻水でぐちゃぐちゃの顔をしていた。4匹のうちの2匹がカンくんとキーちゃんだった。
カンくん以外の3匹は、エサやりさんがエサを与えて可愛がっていたので、まったく警戒心がなく、素手で抱っこして保護することができた。2016年8月のことだった。
カンくんもエサをもらっていたが、警戒心が強く、姿を現さない。捕獲が難航したため、ベテランボランティアがカンくんの居場所を突き止めた。鉄パイプの中に隠れていたカンくんは、捕獲機を使って保護されたが、数日遅ければ命が危ぶまれた。
生後2カ月くらいで、猫風邪もひどかったので、TNRしないで里親さんを募集することになった。キーちゃんとカンくんは仲が良く、キーちゃんが人見知りをする猫だったので、2匹一緒にもらってくれる人を探した。ボランティアによると、当時はペアで募集することは少なかったそうだ。
■成猫でもいい
東京都に住む大沢さんは、野良猫がたくさんいる地域に住んでいた。ずっと犬を飼いたいと思っていたが、野良猫の姿を見るにつけ、飼うなら保護猫を飼いたいと思うようになったという。友人や知人が保健所や保護団体の譲渡会に行き、犬や猫の里親になっていることにも影響された。
「1カ月くらい譲渡サイトを見ていると、子猫はどんどん里親さんが決まっていくのに、大人の猫はなかなか決まらない。大人猫なら性格や体質も分かっているし、ある程度大きくなっている猫でもいいと思っていました。お留守番のことも考えて、2匹飼うなら、セット募集されている仲良しの子にしようと考えていました。ボランティアさんのところで大切にされている子というのも条件のひとつでした」
3つの条件にあてはまる猫を譲渡サイトで検索すると、キーちゃんとカンくんがヒットした。
■犬のように人懐っこい猫
2017年3月上旬、大沢さんは保護主さんの家に2匹を見に行ったのだが、ほとんど迷うことなく我が子として迎えることにした。2匹を迎える前にボランティアが家に来て、網戸をペット用のものにしたり、脱走防止用の柵を作ったりしてくれた。
「外にまったく興味がない猫なので柵は必要なかったのですが、猫を飼ったことがないので安心感がありました」
3月中旬、2週間のトライアルが始まった。
キーちゃんは人見知りをしてなかなか懐いてくれなかった。大沢さんは、キーちゃんのために家具の後ろにすき間を設け、隠れる場所を作ってあげたが、なれてくるとカンくんより甘えん坊になった。カンくんは物怖じしない性格で、お客さんが来るとクンクン匂いを嗅ぎに行く。
「2匹とも落ち着いていて、静かで飼いやすい子です。大人猫にしてよかったと思いました。猫は人に懐かない、すぐにシャーっと言うイメージがありましたが、飼ってみると思った以上に可愛い。まるで犬のように人懐っこいんです」
気分が乗らないと近くに寄ってこないが、その距離感がちょうどいいのだという。