その買いだめ、本当に必要?商品不足で休みなく走り続ける物流業界「ドライバーのこと一瞬でも思い出して」元運転手が訴え
「元ドライバーとして言わせて!
買いだめとかされると、翌日のトラック満載で商品乗らなくなるんです(汗)
心配はわかるけど、物流は止まってないから冷静に!
そして
運転手さんたちを応援してほしい!どんな状態になっても日本全国を走って荷物を運んでます
一瞬でも、思い出してくれたら嬉しいな…
(イチカワ@トラック運転手から独立3児パパ "楽しい"を作る人/@ichikawa_net)」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京や神奈川を始め首都圏で今週末の不要不急の外出自粛要請が出されたのを受け、食料品などを買いだめようとする動きが報じられています。農林水産省も公式ツイッターなどで「食料品は、十分な供給量を確保しているので、 安心して、落ち着いた購買行動をお願いします」と呼びかける中、イチカワさん自身「気付いたらしていた」というこの悲痛なツイートは26日午後8時までに2.1万リツイート、4.2万いいねを集め、ドライバーの家族からは「現場は悲鳴を上げている」とのリプライも。「運転手さん頑張って」「ありがとう」との声が続々と寄せられています。
イチカワさんは、関東圏内で10年にわたり、トラックやダンプの運転手として、食品や製品材料、輸出入貨物の配送や建築資材の搬入などに従事してきたそうです。
今回の事態に、自身や同業者の経験から「買いだめが起きると、通常通りの配送ならトラック1台でOKなところ、在庫がなくなるのでお店から追加発注がかかります。すると、翌日の1便では足りなくなり、さらに増便要請が来る。翌日の配送先の予定はもう組んであるにもかかわらず、そこに無理やり1便2便と詰め込むので、ドライバーは昼夜問わず走り、家に帰れないこともあるんです」と説明。
さらに、「発注が多過ぎて配送する荷物が積めなくなれば、ドライバーは受注分の荷物を届けるためずっと走り続けることになります。疲労、眠気と常に戦い続けながら、お店に商品を運び続けているんです」「物流は生きていて、倉庫にも荷主先にも商品があるにも関わらず、メディアやSNSで拡散されるおかげで不安ばかりあおられ、結果的にドライバーはそれぐらい過酷な状況を強いられるんです。こんなときに、高速道路を走ってて『遅いんだよ!』なんてあおられたら、本当に、たまりません…」と訴えます。
イチカワさん自身は現在はドライバーをしていませんが、ドライバーの友人からは先月末にトイレットペーパーの買いだめが起きた際、「なんとかしてくれ~、帰れない~」と連絡が来たそうです。
「1人1人が冷静な判断をしてくれれば、通常通り食品は届きます。ですが一気になくなると、あらゆる店舗から追加の納品要請がきて、配送センターも回らなくなりかねないんです。増便できるキャパのある所はいいですが、ただでさえ運送業界は人手不足なので苦しいセンターもあるはず」とイチカワさん。「とはいえ、我が家もそうですが小さいお子さんがいたりしたら心配なのもわかります。なので、【必要以上に買う、買い溜める】っていうことはしないでもらえたら嬉しいなと思っています。お一人お一人が、一度冷静になって考えてくれたら」と話します。
自身のツイートが拡散を続けていることについて、イチカワさんは「僕が一番驚いています」としつつ、「純粋に、運転手をしていた頃に大変だった。だから、少しでもこの事実をわかってほしい。ドライバーや物流業界が、本来ならしなくてよかった『過酷な作業状態を強いられている』ということを伝えたかった。そして、普段は縁の下の力持ちとして日本の物流をささえてる運転手さん達を、少しでも良いから思い出して欲しかったんです」と続けます。「何より嬉しいのは、『物流を支えている人達』のことをこれだけ応援してくれる。思いやってくれる人達がたくさんいるんだ!と感じられたこと。正直言って泣きそうになりました」とも。
「このツイートに寄せられたリプやRTが、今まさに現役で頑張っているすべてのドライバーさんに届くことを祈っています。どうか、ドライバーさんを応援してください」
(まいどなニュース・広畑 千春)