コロナ禍に便乗した特殊詐欺が増加中…「4つの防止策」徹底と留守電の活用を 小川泰平氏が提言
新型コロナウイルスに便乗した特殊詐欺が増えている。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は21日、当サイトの取材に対し、「4つの防止策」を掲げ、合わせて留守番電話を活用するなどの対策を提言した。
小川氏は、4月に入って静岡で続いた2件の例を挙げた。
静岡市内に住む70代女性に「コロナが流行っているが大丈夫か?」と息子をかたった男からの電話があった。その声を息子だと信じ込んだ女性は翌日、男から「300万円の小切手をなくしてしまった。150万貸してほしい」との電話を受けて、指示された埼玉県内に出向き、息子の部下を名乗る男に現金150万円を渡した。女性はその後、息子に電話してだまされたことに気づいたという。
また、「東京保健センター」と名乗る男から「コロナを殺す薬があります。今なら自宅を除菌してあげます。安くて3万円からやってあげます」といった電話を受けた人もいたが、こちらは不審に思って被害はなかったという。
小川氏は「最初の入りに『コロナ』を持ち出すケースが、相当増えています」と切り出し、「4つのことを守ってもらいたい。★振り込まない、★送らない、★渡さない、★持って行かない…です」と呼びかけた。
今年2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、これまでのように(コロナ関連以外の)犯罪報道が減っているように感じる。実際はどうなのだろうか。
小川氏は「23月の刑法犯の認知件数は例年より23割くらい減っているそうです。ただ、特殊詐欺だけは通常より2割くらい増えている。県によっては50%以上増えている県もあります。特に未遂のものも含めて詐欺電話と思われる電話はもっと増えている。自粛要請が出て、緊急事態宣言うんぬんと言いながらも、詐欺グループだけは活発に動いていることが言えます」と指摘した。
その上で、小川氏は「4つの『ない』は必ず守ってもらうこと。また、留守番電話にしたり、ナンバーディスプレイにして知らない電話には出ないことです。留守番電話機能にすると、相手は唯一の証拠となる声をとられるのを嫌がります。中には『特殊詐欺対策のため、この通話は録音させていただいております』という音声が流れる留守電もあり、だいたいそこで切ってしまうものが多い」と解説した。
さらに、同氏は「電話だけではなく、メールにも注意が必要です。実際に私のところにも、コロナ関連のメールが来ました。『補助金政策のアンケートでアンケートに答えると東京ディズニーランドのチケットを贈呈する』といった内容のメールですが、『参加する』 と書かれたところは絶対にクリックしないで下さい」と注意喚起をした。
小川氏は「アポ電と呼ばれるものがここにきてかなり増えてきています。電話でお金の話が出たら全部詐欺と思ってください。これは警視庁も言っていますが。そこは注意してもらいたい。ご家族に高齢者がいる方はぜひ注意を広めて頂きたい」と強く訴えた。