コロナ感染者がペットを飼っていたら…保護には細心の注意が必要、無償で預かってくれるサービスも
新型コロナウイルスの感染拡大とともに、飼育しているペットのことを不安に思う人が増えています。だれもが感染する可能性がある状態で、もしも飼い主が感染してしまったら、大切なペットの世話はどうすればいいのでしょうか。
■コロナ感染者のペットを預かるには
コロナ感染者のペットを預かる方法を、東京都獣医師会が公開しています。ただ、感染を広めないため、複雑な手順を踏まなければなりません。マスクやグローブ、医療用ガウン、新しいキャリーケース(もしくは消毒したもの)など、入手困難でも用意しなければならないものもあります。たとえ親戚や友人のペットでも、コロナ感染者のペットを預かるのは容易なことではありません。
「かわいそうだから」と思って安易に預かるのではなく、ペットを預かる人が感染しないよう、また、周囲に感染を広めないよう細心の注意を払う必要があります。
また、まずは飼い主自身が感染しないよう、三密を避ける、不要不急の外出はしない、手洗い、うがいを徹底するなど、基本的な予防策をしっかりと行うことが大切でしょう。
■あふれる飼い主の不安の声
ペット損保大手のアニコムホールディングス株式会社(以下、アニコム)は、コロナ感染者のペットを無償で預かる#Stay anicom(ステイアニコム)プロジェクトを始動させています。
新型コロナ感染拡大に伴い、アニコムには、ペットの飼い主から不安を訴える声が寄せられていました。
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ジンジンさん「コロナに感染、入院した場合、愛犬を預ける先をどうしたら良いか考えてしまいます。身内が近くにおらず、ペットホテルに預けたとしても、受入れ側は断ってくるのでしょうか。毎日悩んでいます」(2020年3月26日)
Rさん「私が感染し、大事な家族である猫がもしコロナウイルスに感染してしまったら…。私が感染し、入院することになったら猫を置いてけぼりにしなければいけないのか…」(2020年3月13日)
ワンコ大好きさん「もし自分がコロナにかかって入院したら、愛犬の預け先をどうしていいか分かりません。不安でいっぱいです」(2020年3月13日)
※以上「anicom you」コロナ記事コメントより一部抜粋
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アニコムによると、コロナ感染者の飼育するペットを長期間預かることのできる施設は、おそらくないそうです。そこで、「困ったら、アニコムにステイしてほしい」という想いをもとに#Stay anicomプロジェクトを発足させたといいます。
■コロナ感染者のペットを無償で預かってくれる#Stay anicom
#Stay anicomプロジェクトは、「新型コロナに感染し、ペットを飼育できる状況にない」人のためのサービスです。取材当日(4月27日)までに、約200件の問い合わせがあり、利用者はいまのところいないそうです。
ペットは、アニコムが所有する施設で預かってくれますが、当面は千葉県の施設を使用する予定です。千葉県までペットを連れてこられる場合、アニコム加入者はもちろん、アニコムに加入していない人でも#Stay anicoomを利用できます。
今後、順次、様子を見ながら他の地域にも拡大していくかもしれないということでした。なお、現在、対象となっている動物は、犬と猫だけです。
利用希望者は、アニコムのサイトにある専用の申込みフォームから申し込みます。その後、感染者と濃厚接触していない人が施設までペットを連れて行きます。
・いままで使用していたキャリーケースやクレートは使用せず、必ず感染者が触っていない新しいものを用意します。
・ペットを預かる人は、絶対に感染者と会わない
など、感染予防対策を徹底させる必要があります。
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なお、アニコムでは、コロナ感染者へのお見舞金も用意していますが、こちらはアニコム損保加入者だけが対象になっています。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)