感謝とエールの青に染まる名城たち ブルーライトアップで医療従事者に「ありがとう」
緊急事態宣言下で迎えた2020年のGW。人影もまばらな日本の夜の街で、いま、各地の名城が「感謝とエール」の青色に染まっている。
3月下旬にイギリスで始まり、ヨーロッパやアメリカなど世界中に広がっている「ブルーライトアップ」は、新型コロナウイルス感染者の命を救うために日々奮闘する医療従事者への感謝と応援の気持ちが込められた取り組みだ。
日本でも、阪神甲子園球場(兵庫県)やアドベンチャーワールド(和歌山県)の大観覧車、通天閣(大阪府)など、様々な公共施設やシンボルタワーが夜の街に青く浮かび上がっているが、その輪は各地の名城にも広がっている。
■四国からエールを
愛媛県松山市の松山城は、4月27日夜から天守閣のブルーライトアップを開始。5月6日まで、毎晩実施される予定だ。ライトアップの時間は日没23:00まで。
観光・国際交流課課長の中矢さんは「医師や看護師の方々は、感染リスクと隣り合わせの中で使命感を持ってがんばってくれている。皆様にエールを送ると共に、1日も早い終息を願っています」とコメント。現在は、ロープウェイ・天守閣への入場共に休業中だが、夜空に青く浮かび上がる松山城は、公式HP内のブログから見ることができる。
「直接見に来られるのは控えていただき、報道やHPなどでご覧いただければ。市民のみなさんと想いを共有できればと思います」(中矢さん)
同じく四国の高知城は、ひと足早い4月22日から天守閣のブルーライトアップをスタート。時間は日没22:00までで、松山城と同じく5月6日までの予定だ。文化財課課長の中平さんは「感染者の治療に奮闘されている医療関係者の方々への感謝とエールの気持ちを表させていただきました」としている。
■広がる感謝の輪
世界遺産に指定されている名城、姫路城も天守閣が「感謝の青」に染まっている。期間は5月6日まで(予定)。姫路城公式サイトで青く染まる世界遺産を拝むことができる。
姫路市は兵庫県との連携で、市内の様々な施設をブルーにライトアップしている。姫路城管理事務所の常峰さんは「医療の最前線で戦っていただいている関係者のみなさまに、姫路市の職員一同感謝しています。この思いが、ライトアップで少しでも伝われば。そして、どうかご自身のお身体にも十分に気を付けていただきたい」とエールを送る。
姫路城は5月31日まで休業が決定しているが、青色に染まった天守閣が、粛々と感謝の気持ちを伝えている。
姫路城の隣接県である岡山県でも、岡山城が日没深夜0時まで天守閣へのブルーライトアップを実施し、医療従事者にエールを送る。他の城と同じく期間は5月6日まで(予定)。岡山城天守閣館長の稲本さんは「医療従事者の方々に向けて、より多くの人たちと感謝の気持ちを共有したい。市民のみなさまも、どうか一緒にエールを送っていただきたい」と力を込める。
日本各地に広がるブルーライトアップによる感謝の輪。公式メディアのほか、ツイッター、インスタグラムといったSNSにも近隣地域のユーザーからライトアップされた画像が多数アップされている。ありがとうの青に染まる日本各地の名城。ステイホームで画像を眺め、感謝の気持ちを共有してみてはいかがだろうか。
(まいどなニュース特約・鶴野 ひろみ)