全国に広がる「マスクのペコちゃん」 当初は着用に迷い、きっかけつくった店主の思いとは

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大手菓子メーカー「不二家」の店舗で店頭人形の「ペコちゃん」にマスクを着ける動きが各地に広がり、ツイッターで話題を集めている。きっかけをつくったとされるのは、京都府北部にあるフランチャイズ店。店長は「暗いニュースばかりだが、皆さんに笑顔になってもらえたらうれしい」と喜んでいる。

 「ペコちゃんもマスクをした方がいいのでは」

 全国各地で新型コロナウイルスの感染者が増え始めた3月中旬。京都府与謝野町で不二家丹後与謝店を経営する荒砂晴子店長(67)は、次男(35)からそんな提案を受けた。町内でマスクを着ける人が少ないため、ペコちゃんを通して新型コロナウイルスへの危機感を高めてもらおうというアイデアだった。

 「ペコちゃんの特徴的な口元をマスクで隠してしまって大丈夫だろうか」

 荒砂店長は当初迷ったが、ペコちゃん柄の包装紙が余っていたことから、マスクに流用すれば「ペコちゃんらしさ」を出せると考えた。マスクは次男が手作りしてくれた。来店客の評判は上々で、荒砂店長は「『すごくかわいい』と写真を撮るお客さんもいる」と笑う。

 ペコちゃんにマスクを着ける取り組みは不二家のほかの店舗に広がっている。不二家広報室によると、同社が把握している限りでは丹後与謝店がきっかけと見られるという。

 不二家は、ペコちゃん用マスクの作り方を各店舗に配布するなどして取り組みを後押ししており、「子どもたちがマスク姿のペコちゃんに反応していると聞く。マスクをする意識を子どもたちに持ってもらうきっかけになれば」と期待している。

(まいどなニュース/京都新聞・天草 愛理)

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