ゴルフショップの倉庫で生まれた子猫たち 猫アレルギーにもかかわらず飼うことを決断
妊娠した野良猫がゴルフショップの倉庫に入ってしまい、人知れず2匹の子猫を出産した。掃除の人が偶然発見し、ゴルフショップでアルバイトをしていた松原さんが保護した。松原さんは、まだ24時間ミルクを飲ませなければならない2匹の子猫を姉と一緒に育てた。
■ゴルフショップの倉庫で生まれた子猫たち
千葉県に住む松原さんは、ドッグトレーナーをする傍ら、ゴルフショップでアルバイトをしていた。2020年3月11日、ゴルフショップの倉庫の中で、産まれて間もない2匹の子猫が見つかった。掃除の人が倉庫の扉を開けると母猫らしき猫が出て行って、タオルがあたりに散乱していたので「もしかして」と思い、子猫を探したら見つかったのだという。子猫たちは、生後2日くらいということになる。
母猫が帰ってくるかもしれなかったが、松原さんたちは、防犯上の理由でいったん倉庫の扉を閉めた。夕方、仕事が終わってから松原さんが子猫を見に行き、排泄の介助をしてから連れ帰った。
子猫を引き取りたいという従業員もいたが、家族に反対されたり、他の猫が苦手な先住猫がいたりして、なかなか飼い主が見つからなかった。一方、ごはんやワクチン代を支援してくれる人もいた。
倉庫の前に戻ってきた母猫を見たという人もいたが、本当に子猫たちの母猫なのかどうか分からなかったという。
■一身に愛を注げる人の方が飼ったほうがいいのか
松原さんは猫アレルギーで、以前、生後2カ月くらいの野良猫を保護した時に、じんましんが出たことがある。そのため、子猫たちの里親を探すか自分で飼うか決めかねていた。
「いまのところ鼻水が出るくらいで済んでいるのですが、2匹の犬と鳥も飼っているので、愛情が分散しないよう、猫だけを大事にしてくれる里親さんをみつけたほうがいいような気もするんです」
生後2カ月くらいまでは、社会化するために兄弟で育てたいので、それまでに決断しようと思っているという。
名前はまるくんとくらくんにした。
■正反対の性格だが仲良し
まだ離乳食も食べられない子猫たち。日中はもちろん夜中もミルクを飲ませなければならないので、松原さんは姉と交代で子猫の世話をした。たまたま新型コロナ騒動で、姉が在宅勤務になっていたのも幸いした。母猫のもとに戻したほうがいいのか獣医師に相談したが、「一度人が手をかけた子を戻しても、母猫が育児放棄する可能性がある」と言われた。
くらくんはおっとりした性格で、松原さんが横になっていると体の上にごろんと乗って甘える。まるくんは野生的で活発なので、性格は真逆だが2匹は仲良しで、いつもくっついているという。
姉妹で飼えば兄弟いつでも顔を合わせられるので、くらくんは松原さんのお姉さんが飼うことになった。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)