「忖度まんじゅう」の仕掛け人が「アマビエ疫病退散プロジェクト」 売上金20%は日本赤十字社へ

 社会を分断しようとする新型コロナウイルスに対抗しようと「アマビエ疫病退散プロジェクト」が動き出した。医療従事者や国内のものづくりメーカーを支援しようとするもので商品の売上金20%が「日本赤十字社」へ寄付される。第1弾の商品は22種類。その後も第2、第3弾を用意している。

 今回のプロジェクトは大阪・福島区にある株式会社ヘソプロダクション(稲本ミノル代表)が仕掛けたもの。これまで「忖度まんじゅう」などオリジナル商品の企画、制作、販売を手掛けており、ものづくりを通じて「世の中が1ミリでも前向きになれる、今できる社会貢献」を目指している。

 「アマビエ疫病退散プロジェクト」もその一環だ。新型コロナウイルス対策で活躍する医師、看護師、ボランティアの方々への活動支援、そのための寄付を目的とする。加えて国内のものづくりメーカーの仕事をつくるという狙いもある。使用されたアマビエのイラストは神戸出身でSNSでも話題のイラストレーター、サタケシュンスケさんが担当している。

 アマビエは最近よく話題になっている日本に伝わる半人半魚の妖怪。顔には鳥のようなクチバシがあり、体はウロコに覆われている。江戸時代末期、肥後国(現在の熊本県)の海に現れ、豊作や疫病などを予言。「疫病が流行した際は、私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ」と言って海に姿を消した、と伝えられている。

 今回は稲本さんがサタケシュンスケさんのアマビエイラストが様々な商品にうまく溶け込み、存在感を出せる魅力的なイラストだとほれ込んだのがきっかけ。「今の世の中を明るくすることができる疫病退散ギフトグッズに最適である」と強く感じたことからイラストの使用を依頼し、過去にグッドデザイン賞を受賞したこともあるサタケシュンスケさんも全面協力することになった。

 ヘソプロダクションは今回のプロジェクトにあたって、以下のようなメッセージを出した。

 頑張る人へ。私たちも今、頑張りたい。大切な人へ。命を守るために、今何を大切にすべきかを伝え合いたい。今できることを、届けたい。「アマビエ疫病退散プロジェクト」で寄り添うDISTANCE。

 外出自粛期間の今、アマビエ商品とともに大切な人と疫病退散を願い、大切な人へ大切なことを伝えるきっかけになれれば幸いです

 すでに今月2日からヘソプロダクションのウエブで先行発売している。商品はクリアファイル、マグカップ、Tシャツなど22種類。さらに第2弾としてクッキーや大福などの菓子類やステッカーなども販売する。市場の状況が明るくなれば、全国の駅ナカ、土産店でも販売する予定だ。

 プロジェクト商品の売上金の20%を「日本赤十字社」に寄付。目標金額は、2020年10月(6カ月)までに合計300万円を寄付(売上1500万円)、2021年4月(1年間)までに合計600万円を寄付(売上3000万円)としている。さらに、6月上旬には株式会社サクラクレパス協力のもと、クラウドファンディング企画も実施予定だ。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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