スーパーの小麦粉、ホットケーキミックス…なぜ品薄? 農林水産省に聞いた
新型コロナの影響で、マスクに続き、トイレットペーパーが手に入らなくなり、続いてバターやパスタ、小麦粉、ホットケーキミックスも品薄になりました。ただでさえストレスがたまる新しい生活様式、欠品が続くと「いったいどうなっているの!?」と思ってしまいますよね。
でも、小麦粉はキッチンにストックがあるという人も多いのではないでしょうか。なんとなく不安で、スーパーの棚に小麦粉が並んでいたらかご入れてみたくなるかもしれませんが、本当に必要なのかどうか冷静に考えてみませんか。
■小麦粉やホットケーキミックスは、安定供給されている?
なぜスーパーなどから小麦粉やホットケーキミックスで品薄になったのでしょうか。主要メーカーや日本プレミックス協会や農林水産省によると、じつは小麦粉や小麦粉製品は安定的に供給されているというのです。
「原料の小麦は順調に輸入されていて、材料も潤沢にあります。発注の多い一部の家庭向け商品の出荷が遅れているため、一部メーカーでは製造を主力商品に絞る特別な増産を実施。今後も家庭向けのフル生産を継続しています」(農林水産省)
■安定供給されているのに店頭に並ばないのはなぜ?
新型コロナウイルスの感染危機の高まりを受け臨時休校になり、子供たちが家にいるようになりました。すると、たくさんの人がお菓子やパンを作るようになったのです。ホットケーキミックスは、ホットケーキだけでなくドーナツやクレープ、蒸しパンなど、さまざまなお菓子を簡単に作れる便利なアイテムです。
ところが、当たり前のようにあると思っていた小麦粉やホットケーキミックスは、その大半が業務用に製造されたものだったのです。小麦粉やホットケーキミックスは、8割が業務用、2割が家庭用に製造されています。
不足しているからといって、すぐさま業務用製品を家庭用にパッケージし直して販売できるわけでもなく、一時的に家庭用の需要に供給量が追い付かなくなってしまいました。
悪質な転売ヤーによる買い占め、高額転売だけでなく、私たち一般消費者が、空っぽの棚を見て、なんとなく不安になって、ストックがあるのに購入したことも品薄に拍車をかけてしまったのです。
しかし、5月11日、大手オークションサイトで転売取引されたホットケーキミックスは、約10件。そろそろ高額転売商品に興味を持つ人も少なくなってきたようです。
あとは、消費者がやみくもに買いだめしなければ、自然に商品は充足すると考えられています。
■牛乳でアイスクリームを作ってみよう
「子どもと一緒におやつを作りたい」という人は、牛乳を使ったお菓子を作ってみてはいかがでしょうか。休校のあおりを受けて牛乳が余っているのです。
乳牛は出産後約1-2カ月の乳量が最も多いのですが、牛の病気予防のためにお乳を搾り続けなければならないのです。そのため、春から初夏にかけて牛のお乳の量が増え、6月から真夏にかけて次第に乳量が減少します。まだしばらくの間は、普段よりたくさんの牛乳を消費しようという呼びかけがされています。
アイスクリームは、牛乳と卵、砂糖があれば簡単に作れます。卵アレルギーのお子さんがいる人は、卵を入れずに作れるシャーベットやミルクプリンにしてもいいでしょう。
いちごや缶詰のフルーツを入れるのもおすすめです。暑くなってくる季節、栄養たっぷりの牛乳を使ったアリスクリームやソルベを作ってみませんか。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)