大学で保護された仔猫が幸せに成長…今はご主人様にべったり「まるで奥さんになったみたい」
15年前の秋、へその緒がついたまま小さな靴箱に入れられて、獣医学科の校舎のロビーに置きざりにされていた仔猫、それが今回の主人公・メガちゃんです。
その仔猫は、学生たちに「メガマウス」と名づけられ、里親さんが決まるまでの2カ月間、昼間は大学の研究室で、夜間は学生たちが交代で授乳し、みんなにかわいがられ成長し、新しい飼い主さんのもとに巣立ちました。
新しい環境でメガちゃんは、とても活発でおてんばな女の子になりました。ある日の夜中、天井をパンチして屋根裏に探検に出かけてしまったメガちゃんは、真っ黒け。目覚めた飼い主さんはびっくりしたそうです。
さて、ここまではかわいい仔猫時代のお話で、ここからは、かわいかったメガちゃんの「豹変ぶり」をご紹介します。
メガちゃんは、病気知らずで順調に成長しましたが、大きくなるにつれ、ご家族の中でもご主人にだけべったりするようになり、その他の人は、ご家族でも受け入れなくなり、抱っこもできないほどになってしまいました。
寝るときはいつもご主人と一緒。ご主人がソファでくつろげば、おなかの上に乗ってうっとり。ご主人が数日家を空けると、他のご家族がいても、食欲がなくなったり、壁の方を向いてボーっとしたりする症状がみられるほど、ご主人への愛着が深いメガちゃん。まるで奥さんになったかのような状態だと、本当の奥様がお話してくださいました。
こんなメガちゃんですから、病院へ来たときはもう大変。爪切りや検査の時には、怖がりな猫ちゃんの扱いに慣れているスタッフ2人がかりで保定し、「やめてーー、私に何するのーー!!」と大絶叫するメガちゃんをなだめながら、処置が進行します。
今年16歳になるメガちゃんには、今後も病院知らずで元気に過ごしてもらいたいです!
◆小林由美子(こばやし・ゆみこ) 獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療はもちろん予防やしつけなどにも造詣が深く、講演活動も行う。ペットと飼い主双方に寄り添う診療が信頼を得ている。
(まいどなニュース/デイリースポーツ)