コロナ禍で「受験勉強に支障」8割、志望校下げる生徒も…広がる“格差”に高まる不公平感
新型コロナウィルスの影響で、学校の休校措置が長期化する中、受験生の9割が受験に不安を感じていることが、ODKソリューションズ(大阪市)の調査で分かった。「既に受験勉強に支障が出ている」と感じる受験生も約8割に達し、オンライン授業など各校の対応や休校期間の違いによる不公平感も高まっており、AOや推薦入試での受験や志望校のレベルを下げることを検討している受験生も出てきている。
同社は2016年から全国の大学の出願や合否照会等を一括管理できる受験ポータルサイト「UCARO」を運営。現在、国内の総受験生の約半数が利用しているという。調査は4月27-30日にインターネットを通じて行い、今年度入試を控える高校3年生 200人が回答した。
その結果、新型コロナの影響で「受験に不安がある」「どちらかといえば不安がある」と回答した受験生は合わせて93.5%に上り、受験勉強だけでなく「試験の中止・延期の可能性」やオープンキャンパスの中止等で学校選びに必要な情報収集が不足することへの不安も強かった。また実際に78.0%が自宅学習の長期化や試験内容が不透明といった理由で「すでに受験勉強に支障が出ている」「どちらかといえば支障が出ている」と感じていた。
こうした中、約3割にあたる28.5%が「受験方法の見直しを検討している」と回答。見直しの内容としては、6割以上がAOや推薦入試での早期の受験を検討し、「志望校のレベルを下げる」と回答した受験生も約半数に上った。一方で例年どおりの入試方法を望む受験生は4割を占め、急な変更への警戒感も強かった。
さらに、各学校の対応の違いによって受験への不公平さを感じる受験生は7割以上(73.5%)に。緊急事態宣言の解除時期の違いによって休校期間に差が生じていることに加え、オンライン授業や家庭学習用のタブレット端末貸与など、自宅学習に対する支援の差に不公平感が強まっており、約半数(44.5%)の受験生は既に学習塾や予備校などのオンラインサービスを使って学習。大学側に求めることとしては、受験情報のこまめな発信やオンラインオープンキャンパスの開催、オンライン資料送付を求める声も大きかった。