コロナのニュースでひらめいた「洗ったらいいんちゃう?」 制菌&クール…洗える夏マスクが驚きの反響
アパレルのSWIS(スウィッシュ、大阪市西区)は25日、同社ブランドV.D.L.Cの新商品「VDLCオリジナル高性能マスク」の予約販売を開始しました。初回分は即完売、急きょ追加販売が決定。「ここまでの反響とは」と驚く、同社の代表取締役丸本隆さん(52)に話を聞きました。
■きっかけは「バッグは洗えないね」
同ブランドは2009年、帆布バッグや服飾など、職人の手によるメイドインジャパンの製品にこだわりスタートしました。東京や大阪を中心に、百貨店や商業施設でのポップアップストアを続々展開。着実にファンを広げています。
-アパレルブランドがなぜマスクを?
「2月以降、新型コロナのニュースを毎日のように見て、ものづくりをやっている人間として、今できることは何かなと考えました。これからの生活は、スマホや財布と同じように、マスクも必需品になるんじゃないかと思い、それならきちっとした品質の、長く使える良い物を持ってもらいたい。ものづくりのプロとして、作るべきなんじゃないかと思いました」
「そんな時に偶然、医療従事者が帰宅後、全身の服を脱ぎ、すぐに洗濯機で洗い、入浴してからやっとひと息つくという話も知りました。誰かの『でもバッグは洗えないね』のひと言に『洗ったらいいんちゃう?』と思いつきました。マスクも手袋もバッグも、全部洗える物を作ろうと」
-あれっ、マスクだけでは?
「実は、第1弾はマスクですが、第2弾で夏用手袋、第3弾でエコバッグ2種を販売します。もちろん全部洗えます。6、7月中には注文していただけるよう準備中です」
■自身の自転車通勤で実証済み
-マスクの特長は?
「国内で製造しています。プロとして、きちっとした良い物を世に出したいという気持ちがあり、抗菌機能と涼しさを兼ね備えた物を作りました。生地は『デオファクター』と『クールマックス』を使用しました。デオファクターは、抗ウイルス、抗カビ、制菌、抗菌の加工をした生地。クールマックスは、スポーツ用品大手のゴルフウェアなどに使われているので、ご存じの方も多いと思います。吸収速乾性があり、綿素材の5倍の速さで汗を吸収し、体温を下げる。夏には涼しい素材です」
-最近、マスクの内側の汗が気になるようになりました。
「マスクの着け心地は、毎日30分の自転車通勤で試しました。吸水速乾性と蒸れにくさは自分自身で実証済みです。洗濯しても縮みません。『よくできた素材だ』と実感しました」
■「ここまでの反響は…」
-予約状況は?
「マスクは本職じゃないから…と初回分は控えめに100個限定でした。でもそれが1日で即完売。急きょ追加予約を募ったところ、500個の注文が入りました。ここまでの反響は見込んでいませんでした」
全世界が「マスクで過ごす初めての夏」を体験するであろう今年の夏。「冷感マスク」や「夏マスク」の準備はお早めに。
「VDLCオリジナル高性能マスク」は、全4色(黒、ネイビー、白、グレー)。サイズはS、M、L。各1980円(税込)。
(まいどなニュース/神戸新聞・金井 かおる)