普段はライバル?ライブハウス7店が手をつないだ! 連携クラファンで支援金募る
新型コロナウイルスの影響が続く中、苦境にある京都市内のライブハウス7店舗が連携し、ネット上で支援金を募るクラウドファンディング(CF)を行っている。音楽文化をはぐくむ場を守るとともに、ライブハウスの衛生面の強化も目指す。
CFは「KEEP MUSIC #音楽をつなごう」と銘打ち、オールディーズや昭和歌謡がメインのライブハウス「グリース」(東山区)が中心となって企画した。
同店は一部期間を除き、3月上旬から通常営業を自粛。売り上げが激減する一方、演奏の生配信やミュージシャンとのオンライン飲み会、無料弁当の配達などさまざまな試みを続けてきた。
「コロナという大きな障害を乗り越えるためには、1匹のアリではなく、多くで手をつないだ方がいい」。運営会社の平井芳夫社長(57)はそう強調し、他のライブハウスに呼び掛けて11日にCFを始めた。
他の参加店は、「SILVER WINGS」(東山区)、「TOCONUTS」(同)、「スローハンド」(中京区)、「都雅都雅」(下京区)、「天Q」(上京区)、「夢や」(右京区)。
CFの支援対象は個別店と全体の2種類あり、25日午前11時現在、延べ371人から500万円近く寄せられている。お金は各店の当面の運営だけでなく、換気や消毒といった衛生対策にも充てる。今後、店内の清掃や従業員の健康面を含む共通のチェックリストも作成するなど、より安心して来店できる環境づくりに力を入れる、という。
支援金に応じたリターンは、ラバーバンドやオリジナルTシャツ、コロナ収束後に開くイベントのチケットなどを用意する。
京都に発令されていた緊急事態宣言は解除されたが、ライブハウスなどは引き続き休業要請の対象となっている。平井さんは「予想以上に多くの方に賛同していただきありがたいが、自粛で先が見えず運営は厳しい状況」と打ち明け、「当たり前のようにある音楽も、ミュージシャンが汗水流して生み出したものであり、ミュージシャンが育つ場、生活する場であるライブハウスを守りたい」として、幅広い支援を訴える。
6月26日までで、目標金額は600万円。
(まいどなニュース/京都新聞)