コロナ終息を願って全国で打ち上げ花火 大きな音を怖がるペットの脱走に要注意!
6月1日午後8時から5分間、各地で新型コロナウイルスの終息を願った花火が打ち上げられるそうです。花火業者の有志が『全国一斉悪疫退散祈願 Cheer up!花火プロジェクト』を立ち上げ、賛同した全国160を超える花火業者が参加予定とのこと。「三密」にならないようにという配慮から、当初は日時も場所も非公表でしたが、突然の花火の音に不安を感じる人もいるとして、日時のみプロジェクトのホームページで公開されました。
突然の花火の音に不安を感じるのは人だけではありません。犬や猫など動物も同じです。毎年、花火大会の後にはペットの迷子が増えると言われるほど、花火は多くの犬や猫にとって恐怖の対象なのです。
広島県の山間に住む山内さん宅の柴犬・コロちゃんは、数年前の花火の夜、大きな音に驚いて脱走。山の中に逃げ込み野犬かイノシシに襲われたようで、発見されたとき目のふちにケガをしていたそうです。それ以来、コロちゃんは頭や顔に触られるのが苦手になりました。
また、神戸市の松浦さんは、飼っていたコーギーのランちゃんを連れて家族でお祭りに行ったとき、打ち上げ花火が始まり、ご主人の腕の中にいたランちゃんが暴れて飛び出してしまったそう。家族4人で追いかけ無事に捕まえることができましたが、その日から、ランちゃんは遠くの花火の音にも震え、ろうそくの火も怖がるようになったと言います。「打ち上げ花火があるとは知らずに行ったのですが、かわいそうなことをしてしまいました」と松浦さんは反省しきりです。
ランちゃんと同じような状況で交通事故に遭い命を落とした犬、家の中から網戸やガラス窓を突き破って逃げ出し、まだ見つかっていない犬など、花火にまつわる犬の脱走事件は枚挙にいとまがありません。猫の事例は多くないかもしれませんが、大きな音にビクッとしている愛猫を見たことがある飼い主さんも少なくないはずです。
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだコロナの影響は大きく、世の中は沈みがち。今回の打ち上げ花火はそんな社会に元気を届けようというもので、とても素晴らしい企画だと思います。ただ、ペットを飼っている人は要注意。兵庫・西宮市の安田動物病院院長・安田和雄獣医師は、こう話します。
「可能であれば、家に一緒にいて、パニックを起こしたらやさしく声掛けしてあげる。逃走を防ぐため、扉や窓はしっかり閉める。花火会場が近いからといって、リードなしで抱っこして見に行かない。飼い主さんとして心掛けてあげられることはたくさんあります。
そして、すでに何らかの事情で迷子になっている子、もともと外で暮らしている子が、花火の音に驚いてパニックになり、道路に飛び出してこないとも限りません。動物たちと運転者の安全のため、自動車やオートバイ、自転車に乗る人は、その5分間、特に注意して運転していただきたいものです」
(まいどなニュース特約・岡部 充代)