コロナ禍で収入ほぼゼロ…TVでも人気の桂浜水族館「オンライン体験フェス」で“エサ代”稼ぐ?
ユニークなアイデアでなにかと話題の「桂浜水族館」(秋澤志名館長)が6月6日に開催される国内最大級の親子向けオンラインイベント「親子でオンライン体験フェス」に参加する。コロナ禍で観光収入がほぼ”ゼロ”の中、今回はカワウソの知られざる一面をオンラインで伝え、動物たちのエサ代などにつなげようとする涙ぐましい試みだ。
新型コロナウイルスの影響で移動が制限され、観光地はどこもかしこも閑古鳥が鳴いている。奇抜なアイデアでテレビなどでもよく取り上げられている「ハマスイ」こと桂浜水族館もそのひとつ。5月11日から営業を再開したものの、来客数は前年同月比で何と約96%減と悲しい状況が続いており、秋澤志名館長も半ば笑い飛ばすしかない。
「いまはいつ来られても貸し切り状態。密になることはないんですけどねぇ」
単純に言うと100人いた客がたった4人。したがって観光収入は、ほぼ”ゼロ”というありさまだ。とはいえ、動物たちの餌代をはじめ水道代、海水代、人件費など固定費はかかるわけで経営は極めて厳しい状況に追い込まれている。
そこで思いついたのが「親子でオンライン体験フェス」への参加だ。これは、体験予約サービスを運営する「ガイアックス」が共同開催しているもので、さまざまなオンライン学習を提供。その一環として桂浜水族館は『カワウソの「ウソ」「ホント」』と題した企画を出展する。テーマは絶滅のおそれが指摘されているカワウソの知られざる生態はもちろん、密は密でも密猟や密輸問題も問いかける内容となっている。
参加は無料。内容に満足してもらった人が後値決めでオンライン入館料を払ったり、オンラインで動物たちへの餌やりができる仕組みを用意した。
6日の開催を前に桂浜水族館のスタッフもやる気満々だ。リーダーの丸野貴也さんが「まずはできることをと思い、オンラインにもどんどんチャレンジしていきたいです。前回のアシカも好評でした」と話せば、今回の授業を担当する薮内雅英さんも「カワウソのクイズも取り入れ、カワウソのかわいい部分をもっと知っていただけるよう、オンラインショーを通して伝えていきたいです」と意気込んだ。
ハマスイの現況を知る全国のファンは募金活動や、カワウソのぬいぐるみなど通販商品を購入することでバックアップしてくれているそうだ。秋澤志名館長は「経営の部分では厳しいことに変わりありませんが、こうなって分かったこともあります。寄付をしていただいたり、通販でわざわざ買っていただいたり、愛してもらっちゅうことを実感しています。おらんくの水族館になれているのかな」と感謝する。
「オンライン体験フェス」に向けては「参加させていただけるのはありがたい話。1回目のアシカも反響があり、スタッフもやりがいを感じています。本来は見て触れて体験することで、いきものに興味を持って学んでもらうことが一番ですが、オンラインの中でも十分にハマスイを楽しんでいただければと思います」と話している。
◇「親子でオンライン体験フェス」
開催は6月6日9時30分16時(桂浜水族館は11時30分12時10分に)
(まいどなニュース特約・山本 智行)