幼稚園に電子図書館導入…園児と先生でデジタル絵本制作→しかも家で親子で楽しめる!関西初の試みに注目
幼保連携型認定こども園追手門学院幼稚園(大阪府豊中市)が、関西の幼稚園で初の電子図書館を導入する。同園を運営する学校法人追手門学院は、すでに小学校、中・高等学校、大学で電子図書館サービスを導入していた。同法人では、学生に積極的に電子デバイスを活用する教育を展開するなど、時代に適応した「新教育」を掲げている。それを幼稚園にも導入することで、園児への教育の幅が新たに広がりそうだ。
この電子図書館サービスは、書店に並ぶ絵本や図鑑などがレンタル・閲覧できることはもちろん、保育教諭や園児による手作りのデジタル絵本も配架されることもポイント。
同園では新型コロナウイルスの影響により長らく臨時休園が続いていたが、6月1日より分散で登園を開始。新しい生活に慣れつつ、徐々に園児もデジタル絵本の制作を開始していく予定だという。
それに先駆け、保育教諭向けに同法人大学の教授による絵本制作ワークショップを実施。それ以降も、保育教諭らが自ら勉強会を行うなどしているという。
デジタル絵本の制作には、専用のアプリを使用。素材やセリフなどを挿入することで、簡単に完成できるという。
電子図書館を導入するメリットについて、「保育教諭や園児が描いたデジタル絵本を、家でも見ることができること」と副園長の田中真一さん。
「このサービスは、家で保護者と園児が一緒に使用することを想定しています。我が子が作った絵本を見たり、『〇〇先生が作った絵本だね』と感想を言い合ったりできます」と話す。
「オリジナルの絵本を作るということは、ゼロから何かを創造するということです。塗り絵やお絵かきに加えて、新しい電子媒体でそれができる。それを、ページを自らめくって読むことができる。子ども達にとって、刺激的で嬉しいことだと思います」
同園は、毎年実施している保護者アンケートで、「あなたはこの園を知り合いにすすめたいですか?」という質問に対して97%の「はい」の回答を得ている。田中副園長は、「このサービスを導入することで、さらに満足度を上げたい」と展望を語った。
また、新型コロナウイルスによる不安定な状況を受けて、こう話した。
「積極的な保護者参観などが叶わないことや、また書店や図書館が閉まってしまう可能性も否定はできません。この電子図書館を利用して、家庭との連携や、教育機会の確保をしていきたいですね」
(まいどなニュース特約・桑田 萌)