“通い猫”が産んだ子猫 「完全室内飼いにしたほうが…」と飼い主葛藤も…家の中と外を自由に出入り
都会と違い、今も家を自由に出入りして過ごす外飼いの猫や野良猫がいる地域がある。ある家にご飯をもらいに通っていた野良猫が産んだ子猫。引き取られた先でも、家の内外を行き来して、のびのび生きていた。
■野良猫が生んだ子猫
ある家に家猫のごはんのおこぼれを食べにくる野良の母猫がいた。食べものに不自由はないので、栄養状態が良く、次々と子猫を産んだ。母猫はいっぱい食べて、子猫たちにもごはんを与えていたという。
ところが、ある日、母猫は妊娠したのか、4、5匹の子猫と父猫らしき猫がご飯を食べに来るようになった。
家人は子猫たちにミルクやフードを与えて育てた。捕まえたおとなの猫はTNRした。子猫の扱いに困り、動物愛護管理センターに電話で相談すると、殺処分をされることを覚悟の上で持ってくるか、どこか遠方に捨てに行くか、猫よけに漂白剤をまくか、と言われたそうだ。
その家人と知り合いだった大阪府内に住む宮井さんは、オウムを1羽飼っていたが、1匹なら飼えると思い、子猫を引き取ることにした。
宮井さんは子猫に「もも」ちゃんと名前をつけた。子猫は生後2カ月くらい。ケージの中で走り回っていたという。
■中と外を自由に行き来する猫
おおらかな地域で、ももちゃんは家の中と外を自由に出入りして暮らしている。ご近所も猫が好きで、そこでもご飯をもらっているようだ。家の中に入れてほしい時は網戸を登り、お腹がすけば、台所の窓を開けて家に帰ってくる。
「勝手に出て行くのに、家に入れないと怒るんです。完全室内飼いをしたほうが良いのかもしれませんが、道路のほうには行きませんし、閉じ込めて束縛して生きるより、自由にさせておいたほうがいいと思っています。外に出せる環境だから良かったのでしょうね」
ももちゃんは自分から人に寄って行くのはいいけれど、人から触られるのは苦手。宮井さんの孫が帰省してくると、喜んでスリスリと寄っていくという。
一緒に飼われているボーダーコリーの「あやめ」ちゃんとも仲良し。「もも」と呼ぶと、あやめちゃんが現れ、「あやめ」と呼ぶと、ももちゃんが現れることがあるそうだ。自由きまま、平和な毎日を送っている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)