ネットでは予約完売、鬼滅の刃ファンの中の人が企画した「きめつたまごっち」…製作経緯を聞いた
この5月に惜しまれつつも完結した「鬼滅の刃」。覚悟はしていても、「鬼滅ロスが想像以上につらい…」という読者も多いのではないだろうか。
そんなみなさんに朗報だ。自分の手で、あの鬼殺隊を育てられるゲームが今年10月に発売される。その名も「きめつたまごっち」だ!
たまごっちの持ち味である育成のワクワク感に加え、大人の鬼滅ファンをもうならせる数々の演出…。それらが、直径4cmの筐体にぎゅっと詰め込まれている。
■ファン心をくすぐる数々の演出
「きめつたまごっち」では、鬼殺隊の最終選別に合格した隊士を育成できる。成長パターンは14種類で、炭治郎、善逸、伊之助のほか、鬼殺隊最上位9名の「柱」に成長させることも可能だ。隊士は、最下位の階級「癸(みずのと)」からスタート。まず甲(きのえ)に成長させられれば、柱への道が開ける。どの呼吸の使い手になるかは、食事や訓練(ミニゲーム)による育成次第。プレイヤーが「ある隊士」の信頼を得られれば、レアキャラとして豆子も出現する。
食事はおにぎりで、おやつは玉露。訓練のミニゲームは、アニメファンにもお馴染みの「岩斬り」「瓢箪(ひょうたん)割り」「薬湯かけ」の3種類だ。育成を怠るとキャラクターは負傷。放置していると事後処理部隊「隠」に処理されてゲームオーバーになってしまう。
そして、たまごっちといえば厄介なのが「うんち」だが、今回はうんちの代わりに4種類の鬼が登場。鬼は、これまたアニメで炭治郎たちと死闘を繰り広げた、鞠の「朱紗丸」、矢印の「矢琶羽」、鼓の「響凱」、蜘蛛の「累」だ。
小さなドット絵でもわかる鬼のビジュアルクオリティもさることながら、登場する時間帯も夜が多いとのことで、アニメの世界観を見事に踏襲。鬼の出現を鎹鴉(カスガイガラス)やチュン太郎が教えてくれたり、時間演出で夜に鬼舞辻無惨が登場するなど、ファン心をくすぐるニクい演出がふんだんに散りばめられている。
本体カラーは「たんじろうっちカラー」「ねずこっちカラー」「きさつたいっちカラー(Amazon限定)」の3種類。価格は2300円(税抜)で、10月中旬発売予定。バンダイ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」と一部インターネット通販サイトで5月1日に予約を開始したところ、瞬く間に全カラーが予約完売。発売日には全国の玩具店、百貨店、家電量販店、コンビニ各社の店頭で販売される。
■企画者自身が原作のファン
実はこの6月中旬にも、エヴァンゲリオンとのコラボたまごっちを販売予定の同社。鬼滅の刃をコラボレーションパートナーに選んだ理由を、企画チームの橋祥子さんは「隊士たちが成長していく物語と、たまごっちが大切にしてきた育成という部分が、コンセプトとしてマッチした」と語る。さらに「登場するキャラクターそれぞれにファンがいるコンテンツでもあるので、各キャラクターの育成をより楽しめるかなと思いました。そして、私自身が原作の大ファンなのです」と笑顔を見せる。
コラボたまごっちの企画チームは6人だが、同商品の企画を担当したのは高橋さんと、もう1人の原作ファン。鬼滅の刃への思い入れが深い2人だからこそ、細かなビジュアルにもこだわった。
「成長分岐後のキャラクターたちの喜怒哀楽の表情も、それぞれの個性を生かせるように試行錯誤を繰り返しました。たとえばうれしいとき、炭治郎はにっこり笑いますが、冨岡義勇はニヒルに笑う。ドット絵で伝えるのは難しかったのですが、アニメのイメージをできるだけ崩したくなかったので粘りました」。
とはいえ、同作品はファンの熱量が非常に高いことでも有名。高橋さんは、「ファンのみなさんの熱量の高さを感じているので、プレッシャーはありました。でも、鬼滅の刃が大好きなメンバーで作った商品です。ファンのみなさんにも楽しんでいただければうれしいです!」と力を込める。
原作は完結してしまったが、この秋には劇場版が公開される。映画を見て、鬼殺隊士の奮闘に血がたぎったら、ぜひ「育手」になって最強の隊士を育ててみてはいかがだろうか?
(まいどなニュース特約・鶴野 ひろみ)