コロナ禍のオンライン化で需要増「バーチャル名刺」とは?日向ナナって?開発会社の代表に聞く
コロナ禍で変化した企業の営業活動の1つとして「ミーティングのオンライン化」が挙げられる。その一方、商談などで「初対面がオンライン」となると、相手との名刺交換や自己紹介において、試行錯誤を重ねている現状がある。名刺型背景をWEB 上で簡単に生成できるツール「バーチャル名刺背景ジェネレーター」を5月にリリースした「キッズプレート」(本社・東京)の茂出木謙太郎代表に話を聞いた。
茂出木氏は「所属会社や連絡先などのプロフィール情報を記載した画像を簡単に生成できるサービスです。利用者は好きな写真をアップロードあるいはデフォルト画像から選択して、プロフィール情報を記入、生成ボタンを押すだけで画像をダウンロードできます」と説明。「SNSやWEBサイトなどのURLは二次元コードが自動生成されて画像内に埋め込まれます。生成された画像をWEB会議ツールのバーチャル背景に設定することで、プロフィール情報を分かりやすく簡単に交換することが可能になります」と付け加えた。
利用者の傾向も分析した。同氏は「アップロードされる背景写真については、自分で撮影した風景写真を背景に設定されることが多いようです。事務所やその付近の写真、休みの日に行ったと思われる場所などを設定されているのがお見受けされます。ビジネスで利用される想定のものですので、解像度が低い写真や奇抜なネタ写真は好まれないものと考えられます」と指摘した。
このサービスを開発したバーチャルキャラクターとなるのが「日向ナナ」。ツイッター(@hinatanana7)でも発信している。茂出木氏は「リモート勤務がトレンドになる前から、弊社はアバター(ユーザーの分身キャラクター)での業務参加の可能性について検討をし、実践するために日向ナナという弊社所属のキャラクターを作成しました。Web系のプログラミングに明るく、コンテンツなどの制作もできます。今後も、アバターで働くことをテーマに、開発を進めていく社員として活躍していく予定です」という。
利用者から、どのような声が届いているのだろうか。茂出木氏は「最も効果を感じるのは商談中のアイスブレイクのようです。名刺背景を設定し、商談に参加すると『それいいね、どうやってやるの』と、ほぼ間違いなく聞かれるため、注目も集めやすく、その後の会話もスムーズになるとのことでした。また、プロフィールなどの情報をカメラ映像上に常に表示しておけることから、同窓会・マッチングパーティー、異業種交流会など、初めて会う方が多い場において、外部に情報を参照しに行く手間が省けるというメリットもお声としていただいております」と明かした。
課題点もある。「利用する会議ツール、PCスペックによってはバーチャル背景を設定すること自体ができません。これらの要素に依存しないように、映像編集のできる汎用的なカメラアプリを開発することを検討しております」と茂出木氏。今後に向けて「バーチャル背景にとどまらず、リアルタイム字幕表示やエフェクト、フィルター、アバター化など『カメラ映像の編集』がトレンドになると思っています。利用者が簡単かつ自由に映像を編集し、オンライン会議の場に配信できるようになるカメラアプリを提供することで、テレワークでのコミュニケーションをより有意義なものにしていければと考えております」と語った。開発中のカメラアプリは現在ベータテストの協力者を募っている(詳細はキッズプレートWEBサイトで)。
コロナ禍は時代の変化を加速させている。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)