頬や舌、歯茎を綿棒でスリスリ…ドジャー・スタジアムでドライブスルーコロナ検査を体験

 新型コロナウイルスの累計感染者は世界で820万人を超えたそうです。アメリカも依然として深刻な状況に変わりはありません。そこで、ドジャースタジアムへ。出掛けたのはメジャーリーグ観戦ではありません。それにMLBは開幕するかどうかも微妙な状況。球場へ向かった理由はコロナテストでした。

 車社会のアメリカではファーストフード店だけでなく、銀行のATMやクリーニング店などでもドライブスルーでサービスを受けることができます。新型コロナウイルスのパンデミック以降、私が住むロサンゼルスではドジャースタジアムの駐車場を貸し切り、ドライブスルー検査場が開設されました。車から一歩も出ず、スムーズにコロナ検査が受けられるのはありがたいことです。

 6月に入って以降、お店やレストランの再開は段階的に進んでいます。さらには「白人警官による黒人男性の暴行死事件」を受けて連日抗議デモが続いており、ソーシャルディスタンスが難しい状況になっているのも事実です。そんな中、エリック・ガルセッティ市長は積極的にコロナ検査を促しています。

 週末は父の日とあって各地で通常以上の人出が予想されます。私もパートナーの両親に会いに行くので、念のためコロナテストを受けました。医療費が高いことで知られるアメリカでは珍しく、なんと検査は無料。公式ウェブサイトで事前に予約をするだけで、個人の保険の情報などは一切問われません。

 平日の13時ごろ、予約時間の10分前にドジャースタジアムの検査場に到着しました。係員は指示が書いた紙を掲げ、手で「こっちへ」と誘導するだけ。看板の指示とオレンジ色のコーンに沿って進みます。車から降りたり、窓を開けっぱなしにしてはいけません。接触を避けるためでしょう。予約番号も窓越しにスマホの画面を見せて確認します。それでも最後だけは「車の窓を開けて、口をアーン… あとは検査員に任せればいい」と思っていたら大違いでした。

 検査パケットをつかみ棒で渡されたら、特設のスクリーンに映されるビデオや説明書の指示に従って自分自身で検査を行います。まず35回、咳をしたあと、頬の内側や舌、歯茎を綿棒でスリスリ。終わったらチューブ状の容器に入れて、プラスチックの袋をしっかり閉じるだけ。出口にある大きなゴミ箱のような入れ物に容器を落とし入れれば、完了です。所要時間は並び始めてから約30分と思ったよりもスピーディーでした。

 検査結果が出るまでに3-5日かかると知らされていましたが、24時間以内にメールが届きました。その結果はネガティブ。「陰性」だったのでまずは安心しました。経済活動が活発になるにつれ、カリフォルニア州でも再びコロナ感染者が増加する傾向にあります。まだまだ油断はできませんが、それでもドライブスルーのセルフ検査は感染の防止にきっと役立ってくれることでしょう。

(まいどなニュース特約・今井 悠乃)

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