静岡県に住む川口さんは、友人の家の軒下で生まれた子猫をもらい受けた。先住猫のこはるちゃんを単頭飼いしていたが、猫は猫同士じゃれ合ったり、話をしたりして過ごすほうがいいのではないかと思っていた。実際に多頭飼いしてみると、こはるちゃんがよく遊ぶようになり、いいこと尽くしだと言う。

■民家の軒下にいた生後間もない子猫たち

みはるくんは、川口さんの職場の同僚の家の軒下にいたところを保護された。3兄弟だった。生後１－２週間くらいで、1匹は間もなく亡くなった。もう1匹は、他の人が引き取った。

静岡県に住む川口さんは、その話を聞いて、子猫を飼えるかどうか家族に相談した。川口家にはこはるちゃんという猫がいたが、家族は、「そんな猫は引き取らなければ死んでしまうだろう」と心配した。

「猫を1匹だけ飼うと人との関わりはあるのですが、猫同士の関わりが持てないんです。それもどうなのかと。こはるは子猫の時に引き取ったので猫と触れ合ったことがなく、果たして猫の言葉が分かるのかどうか疑問に思ったこともありました。猫同士のコミュニケーションがあったほうがいいと思いました」

■猫は多頭飼いしたほうがいい？

10月2日、川口さんはみはるくんを迎えた。快晴の日の海をイメージして「みはる」と名付けた。

お腹に寄生虫がいたので１、２カ月はこはるちゃんと触れ合わないよう隔離した。

対面させると、こはるちゃんがシャーっと威嚇した。それぞれテリトリーを持つようになり、こはるちゃんが1階にいる時は、みはるくんが2階にいるという感じになった。仲良くなれるか心配でしたが、こはるが優しい性格なので「だんだんなれるんかね」と見守っていました。時には激しいケンカもしたが、こはるちゃんとみはるくんは次第に仲良くなり、いまは同じ部屋で寝ることもある。

■多頭飼いならではの幸せとは

みはるくんは、猫というより犬のような感じの甘えん坊。なでられたらなでられた分だけ嬉しいようだ。ソファで人が寝ていたら、必ず隣の席で寝る。

多頭飼いしてみると、こはるちゃんが活発に遊ぶようになった。いままで1匹だとじゃれ合ったり、追いかけっこしたりすることがなかったが、断然運動量が増えたという。

「2匹でじゃれ合う姿を見るのも楽しいのですが、同じ猫でも性格がこんなに違うんだという発見もできるんです」

どうやら、猫にとっても飼い主の川口さんにとっても多頭飼いは良かったようだ。

（まいどなニュース特約・渡辺 陽）