「ミャアミャア」車のタイヤの上で鳴いていた子猫 保護され、うさぎ&ハムスターと平和に同居
子猫のさくらちゃんは車のボンネットかどこかに入り込み、そのまま移動した。車の持ち主は猫の声に気づいていたが、そのまま出勤したという。車体の下、タイヤの上にいるところを里親が発見。運が強いのか怪我はしていなかった。
■車のタイヤの上にいた猫
2015年10月、愛知県に住む長谷川さんは、勤めていた会社の駐車場で子猫の鳴き声を聞いた。同僚の車のあたりから聞こえてくるミャアミャアという鳴き声。「あれっ!?」と思ってあたりを探してみたが、猫の姿は見当たらなかった。しかし、やはり鳴き声がするので探してみると、同僚の車のタイヤの上に子猫がいた。
長谷川さんは子猫を保護して連れ帰った。子猫はしばらく鳴いていた。ダンボール箱の中に入れていたので、のぞきこむと泣き止んだが、離れて見えなくなると再び鳴き始めた。
「猫の鳴き声って、こんな声だった?」と思うくらい声が枯れて、だみ声になっていた。
その日の夕方、動物病院に連れて行くと、月齢1か月半くらいで、キャットフードを食べられると言われた。ノミやダニもついていなかったので、どこかで飼われていたのかもしれなかった。
■情が湧く
翌日、車の持ち主の同僚に子猫がいたことを告げると、
「出勤前に猫の声がしていたけど、そのまま出勤した」と言われた。ひき殺す可能性もあったのに、あっけらかんとしていた。子猫は車の中に入り込み、そのまま動く車の中にいたと思われる。
長谷川さんは動物が好きだが、ご主人が猫に家の中をめちゃくちゃにされると言っていて、飼えなかった。うさぎとハムスターも飼っていたので、いたずらされるのではないかという心配もあった。
長谷川さんは、職場で猫の里親になってくれる人を探したが、猫を飼っている人は「猫は好きだが、いま手一杯で、これ以上飼えない」と言った。
そうこうしているうちに、長谷川さんは猫に情が芽生えてきて、手放したくなくなってきた。里親を探しながらも、断られるとほっとした。
■ハムスターやうさぎとも平和に
家族で話し合い、保護した責任もあるし、うちで飼おうということになった。名前はさくらちゃんにした。
猫を飼うのは初めてだったので、手を揺らして遊んで噛みつかれることもあった。それほど部屋を荒らされることはなかったという。「さくら」と名前を呼べば来るところも可愛らしい。
ハムスターはケージの中にいるので安全だが、さくらちゃんは興味を示して見つめていることもあった。うさぎは運動のためにケージの外に出す時間を設けているのだが、動くのが面白いらしく、さくらちゃんが追いかける。しかし、噛んだり引っ掻いたりすることはなかった。いまはうさぎもハムスターも亡くなったが、後輩猫りんちゃんと仲良く暮らしている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)