藤井七段への脅迫電話は「いたずらの可能性」も「何が起こるか分からない」小川泰平氏が指摘
将棋の最年少タイトルに挑戦している高校生棋士、藤井聡太七段を名指しして殺害予告する電話が愛知県瀬戸市役所にかけられていたという報道を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は2日、当サイトの取材に対し、「いたずらの可能性が強い」と指摘しつつ、「今の時代、何が起こるか分からない」と警戒を強めた。
報道によると、瀬戸市役所に殺害予告の電話があったのは6月24日。電話は中年とみられる男で「帰ってきたら殺してやる」などと話していたという。同市は25日に警察に通報したという。
小川氏は「将棋界だけでなく、今や日本中から注目されている人。特に瀬戸市では地元のヒーローですよ。その中で、瀬戸市役所に脅迫電話がかかってきたわけですが、それほど具体的な内容があるわけではなく、いたずらの可能性が強いです。しかし、今の時代、何が起こるか分からないので、警戒はしなければいけない」と指摘した。
刑法上、電話での殺害予告は脅迫罪になる。小川氏は「ただ、その後は電話が来ておらず、ネットの書き込みもないので、容疑者の割り出しは容易ではないと思いますが、警察は本人に動揺を与えないように移動時の警備や捜査を続けているということになります」と説明した。
脅迫電話があった後も対局は予定通り行われており、将棋連盟も警察に相談し、万が一に備えて細心の注意で対応している。
小川氏は「藤井さんは普段の行動を見ていても、批判されるようなコメントもビッグマウスも一切ない。師匠や対戦相手に対しても、インタビューを受けても、謙虚すぎるくらい謙虚な人。そんな彼に恨まれる要素などは全く考えられず、愉快犯的なものだと思いますけど、それをすぐに愉快犯と決めつけることはできない」と改めて強調した。
その上で、小川氏は「本人も当然、今回のことを知っているはずだが、その中で動揺することなく連勝したのは並大抵の苦労じゃないと思います。あとは電話をかけてきた容疑者の特定と動機についての解明が待たれます」と指摘した。