働く母親に嫌味?当てつけ?…職場で言われて「グサッと刺さった」一言とは ママたちに聞いた
残念ながら、育休明けや時短勤務…働くママを快く思っていない同僚は少なからず必ずいると思います。パワハラまでいかないにしても、同僚や上司に、心にチクッあるいはグッサー!っと来る言葉をかけられた経験ありませんか? またこういうのって、言葉をかけた本人は、あまり悪気がなかったりする場合もあって、それがまた困りますよね…。なにげない言葉で心を刺されるような思いをしたママたちのエピソードとその後の対処法を紹介します。
■時短勤務・残業できない…で放たれた一言
▽「いいですよね、早く帰れて」
繁忙期もピークのある日いつものように「お先に失礼します」と帰ろうとしていたときでした。私の向いの席に座っている入社3年目の女性が言った一言「いいですよねー、早く帰れて」が心にグッサー!!
「いやいやいや、私だって残れるなら残りたいよ!毎日罪悪感を抱えながら帰ってるんだよ! そしてこれから子どもを保育園に迎えに行って、グズる息子を相手にしながら夕飯作ってお風呂入れて寝かしつけてー!!ぬおーー!!」と、どんなに叫びたかったことか。
そのときは「こいつ二度と口きかない!」と思いましたね。大人げないですね(笑)。
でも今思えば、彼女も毎日の残業で疲れとストレスがピークに達していて、思わずポロッと出てしまった一言だったと思うのです。そして私自身も仕事の疲れ、早く帰ることの後ろめたさで心がささくれ立っていただけに、言われたときは心のチクチクはなかなか取れませんでした…。(Tさん・メーカー勤務・子ども4歳)
◇ ◇
▽暇でいいね!
いまだに「早く帰る=暇」だと思い込んでいる、心ない上司の一言がグサッときてしまいました。
IT系企業でSEをしているのですが、ある程度自分の裁量で仕事量を決められ、定時もないので朝早めに出社し、遅くとも18:00には退社できるよう調整していました。自分で言うのも何ですが、時間内にきっちりこなしていましたし、支障をきたしたこともありません。
ところが年度末の繁忙期、ふらりとやって来た部長が、「この課は働くママが2人もいるんだ、暇でいいね」と言ったのです。普段から口の悪いことで有名な上司でしたが、そのときどんな真意で、なぜそんなことを言ったのかは謎。
横にいた課長は引きつり笑いで「ハハ、暇ではありませんけどね」と大人な対応。私は、よっぽどダンッ!!と机を叩いて「現場を見もしないヤツがいきなり来てそんなこと言うじゃない!!」と言おうと思いましたが、できるわけありませんね(笑)。
確かに部全体が忙しい時期でほとんどの人が残業している中、私は基本17:30退社、もう1人のワーママは時短でした。しかし、その限られた時間の中で、仕事に優先順位をつけ、やるべきことを漏れなく、ときにはランチタイムを潰しながらこなしていたのです。そんな現場も見てないヤツに何が分かる! と、本当に腹が立つと共に、グサッときましたね。(Kさん、SE、35歳、子ども5歳、3歳)
■育休明けにもちくちく
▽先輩ワーママの時代錯誤発言
第1子の育休明けとともに異動。今までいた残業の多い部署から、さほど忙しくなく残業もほとんどない部署、しかも気の知れた方々ばかりなので私的には嬉しかったのです。
そこにいる50代半ばのワーママ(以下、Oさん。お子さん2人はすでに社会人)。気さくに話せて、私も慕っていたのですが、いざ同じ部署になると意外にサラッとキツイことを言う人だということが判明(笑)。
育休明けに張り切ってOさんのところに挨拶しに行くと、開口一番「いいわねー1年もゆっくり休めて! 私が子ども産んだ頃は皆2、3カ月で復帰してたわよー」と言われてしまいました。
育休中の大変さが走馬燈のように頭を巡り、うっ、チクチクっ! 「育休中だって全然ゆっくりできてないし、今と昔は違いますよー」と切り返そうと思いましたが、まだ復帰第1日目、ぐっと飲み込みました。(Kさん、出版社、子ども7歳、5歳)
◇ ◇
▽育休明けの後輩の態度が一変!
第1子出産時の産休入る直後、「先輩!体に気をつけてかわいい赤ちゃん産んでくださいね。早めに職場に戻ってきてくださいよー、わたし、先輩がいないと不安です」と言っていたかわいい後輩。
1年育休明けて復帰すると、後輩は急成長し責任のある仕事も任せてもらえるようになっていました。復帰後の初仕事は後輩チームになって行う業務があったので、「久しぶり!今日からまたよろしくね!」と声をかけると「先輩、時短勤務ですよね?重要な業務はわたしがやるんで。先輩はアシスタント的に動いてもらっていいですか?」と。
わたしも1年のブランクがあるので「そりゃ、そうだよねー」なんて思っていましたが、ほかの同僚に「あの先輩、時短だからってアシスタント的なことしかしてくれない」と愚痴を言っていたことが発覚し驚きました。3年経ったいまは、彼女も築いたポジションを取られていしまうと焦っていたんだなと考えることができるようになりましたが、当時は本当に腹立つやら悲しいやらでしたね。(oさん、IT系、子ども4歳)
■グサッの一言を言われ後対応
▽帰宅後の生活をさりげなく伝える
私にグサッとくる一言を置いていった彼女をあえてランチに誘って、それとなく皆より早く帰った後、私がどんなことをしているかを話しました。
きちんと納得してくれたかは分かりませんが、それからは笑顔で「お疲れさまでした」と言ってくれるようになりました。これから長い付き合いだし、席も近いのでぎくしゃくするのもイヤだな、という計算もあってランチに誘ったのですが、あのとき話せて良かったと思っています。(Tさん・メーカー勤務・子ども4歳)
◇ ◇
▽先輩ママであれば相談相手にしてしまう
Oさんが第1子を生んだのは今から約30年前。その頃は遅くとも産後3カ月ほどで職場復帰し、保育園も延長などなくて、17:15の定時とともにダッシュでお迎え。ファミサポや病児保育なんてもちろんあるわけもなく、遠方の両親に来てもらったり、時には近所の友だちにお願いしたりして乗り切ったそう。
それでも彼女が辞めなかったのは、キャリアを捨てたくなかった、経済的理由という大きな2点。
あのときOさんが言ったことも、実は「あんな制度も何も整っていない大変な時代でも頑張れたんだから、あなたは大丈夫、頑張って!」というエールだと思えるように。おそらく違いますが(笑)。
今では母親・人生・仕事の先輩として、良好な関係を築けています。(Kさん、SE、35歳、子ども5歳、3歳)
▽同じワーママに話を聞いてもらう
そんな沈んだ気持ちを救ってくれたのは、他部署にいる同期とのランチでした。彼女たちも同じくワーママ。「うちの部署でもあるよ」という話を聞き、同じ会社の中でもあんなことを言われたのは私だけじゃないんだと思え、気持ちが楽になりました。
また、その後の課の忘年会で、案の定「あのときの部長ひどかったよなー」という話題になり、「気にすることないよ」と言われ、ずっと後ろめたく思っていた気持ちが軽くなりました。
言われたらもちろん腹が立つし、心がザワザワしてしまいますが、同期の友人や同僚に救われることも。
そして時間が経って冷静になったら、「大人の対応も仕事のひとつ」と考えることができるかもしれませんね。もちろんそうなるまでに時間は掛かると思いますが…会社というコミュニティーの中には自分の想定を越えたことを言ってくる人がたくさんいます。大人の対応とともに、「聞き流して気にとめない術」も身につけていきたいですよね。(Kさん、出版社、子ども7歳、5歳)
■相手の立場もちょっと考えてみる
子どもを育てながら働くことって本当に大変なこと。でも、会社はさまざまな立場の人の集まり。ワーママの大変さを全員に分かってもらって好意的に受け止めてもらうのは、なかなか難しいのかもしれません。
でも、まだ入社して間もない頃、同僚のワーママを自分はどう思っていたっけ…あるいは自分が独身で働き続けていたら同じことを思ったり言っていたかもしれない。
そんな気持ちを心の片隅に持っていれば、ささくれ立ってしまった心も少し和らぐかもしれませんね。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)